自覚済み ページ4
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「リエーフ！ 一緒に帰ろ〜」
「え､待って！」
「早く早く〜」と日方さんが､灰羽くんの腕を取って教室から連れ出そうとしている｡
灰羽くんを盗られる前に自分と仲が良いところ見せつけておこう｡ってことかな？
まあ､彼女のパーソナルスペースが極端に狭い｡もしくは､とんでもない遊び人って可能性も否定は出来ないけど､見た感じそうではなさそうだし｡
──じゃあ､二軍出身のゆるふわ綿菓子ガールに格差を見せつけてあげようかな｡
「日方さん､灰羽くんバイバイ」
「おう､じゃあな！」
「またね〜」
最上級の笑みで小さく手を振れば､みんな私に見惚れるなんてことは､とうに知っている｡
現に灰羽くんは勿論､日方さんだって私の笑顔に見惚れていたから｡自分を蹴落とすつもりの女の顔に見惚れるなんて､危機感ゼロだね｡
まあ､私顔が良いから当然か｡
謙遜するつもりはない｡だって､顔がいいことを自覚してない人なんて居るはずないから｡
よく､あるでしょ？
「Aって可愛いよね！」
「え〜そんなことないよ！ Bの方が可愛いし！」
なんて､謙遜し合う女｡
Aは「自分なんて」と謙遜することで「そんなことないよ」ってさらに褒められたい人｡
Bは「貴女の方が可愛い」って相手に言わせて、内心「そうでしょ？」と思いたがる人｡
最も､私も社交辞令として言わなくちゃいけないから「美人」とか「可愛い」って言われたら謙遜してるけど｡
とりあえず､今ので分かったよ｡
日方さんから灰羽くんの隣を奪うのは楽勝だってことがね｡
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作者名：笹かまぼこ | 作成日時：2020年2月1日 19時
