明日に向かって手を伸ばせ

＊ ページ10

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すぐ側にあったはずの輝きがどこか遠くに行ってしまって、嬉しいような、悲しいような。



この人が売れることを純粋に喜べないなんて、俺もファン失格かなぁ…



画面の中で輝くこの人にいつの間にか俺は手を伸ばせなくなってて、でも離れるなんて事できなくて、どっちつかずのままズルズルときている



当時勢いで作ってしまったSNSアカウント
未だにそこはフォロー1 フォロワー1を表示している

まあ、そのフォロワーっていうのも画面の奥の人なんだけどさ。




今はメインアカウントのフォロワー数は大台を突破しているのに、当時のアカウントは残しっぱなしで。


俺もこれとは別のアカウントでメインをフォローしてるから、誰も知らない秘密
鍵垢同士の秘密はきっとこの先も知られない。


｢うぅーん、、｣




布団にぼふっと体を沈めると急に眠気が襲ってきた

番組は録画してあるしな…
このまま寝ちゃってもいいだろうか。

いいよね、別に。



あぁ、昔はリアタイするために深夜までだって起きてたのに。


これがいわゆる冷め期か。
俺はそろそろ自分の輝きを見つけなきゃ行けないのかな



誰かの輝きに手を伸ばして、時間が経ったら諦めて。やっぱり俺ってそんなのばっかりだ。


つけっぱなしにしていた動画から流れてきた｢もっと凄い景色みせます。だから、ちゃんとついてきてほしいな｣なんて言葉が嫌に苦く聞こえた

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