明日に向かって手を伸ばせ

＊ ページ11

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｢あっ、山田！！｣


｢おー大ちゃん｣


｢今日さ、うち寄ってかね？｣


｢なに、急に。｣


｢いいからいいから。
母ちゃんがさ、というか…うーんとまあとにかく来いよ！｣


｢別にいいけど…｣


HRが終わって帰り支度をする俺に、勢いよく飛びついてきた大ちゃん
歯切れが悪い感じをみると、宿題見せてーとか課題手伝ってーとかだろうか

俺だって、そんなに頭がいいわけじゃないんだけど。


まあ目の前の能天気バカに比べたら優秀な方ではあるけどな！


俺の1歩前を歩く大ちゃんが、昨日の今日だからかやけに楽しそうにみえて、いいなぁと遠くで思った


｢じゃあ山田はここで待ってて｣


｢え、は？？
お前、客人外でまたせんのかよ、人間かよ｣


｢シンラツ！！
俺だって少しは片付けてぇんだよ！｣


辛辣、が確実に漢字になってないがまあよしとしよう。
使い時はあってるからな…うん、、


｢よし、いいよ｣


｢あ、意外と早い｣

ひょっこり戻ってきた大ちゃんに連れられて、前にも何度か遊びに来たことがあるこの家に踏み入れる

いつもだと廊下の突き当たりにある大ちゃんの部屋に直行なのに、今日はその手前で立ち止まった

大ちゃんらしくなく、コンコンとノックをしたあと｢入ってもいい？｣と声をかけてから、ドアノブを捻った


｢おま、ちょっ！
返事聞いてから開けろよ！｣


｢ごめんごめん
だってだいたい大丈夫じゃん｣

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