第3話・出会い ページ4
ある日の事。
遂に、私の番が来てしまった様だった。
「さぁ、コッチにおいで。怖くないよ」
嫌だ…その手で私を触らないで。
まだ、
まだ…
生きたいよ!!!
「佐久早さん、この子を合わせて全てですよ。どの子にしますか?」
「そうねぇ…聖臣、貴方はどう?」
「……要らないって言ってるのに…菌が映るし、触ったら毛が付く。イコール、汚い」
「貴方ね…そういう事を言ってるから友達と仲良くできないんでしょ!!さ、先ずは第一歩から。動物と触れ合えばそういうのも治ると思うの!」
「母さん、勝手な事言うなよ…無理だって。ねぇ、父さ…」
「聖臣!お父さんはこの子が良いなぁ!」
「……コッチもかよ」
知らない人が私達を見ている。
仲間達は皆、叫んでいる。
本能がそうしてる。
そう、言っている。
ココで選ばれなかったら__
“死”が待っている。
必死に叫ぶ子もいれば、無言のアピールをする子もいて。
でも、前の飼い主から酷い事をされた子達は端っこに寄って震えている。
私はというと
特に何もする訳でもなく…
ただ
白い布みたいなのを顔に付けているニンゲンをジッと見ていた。
「……何だよ、お前」
そう、私に話しかけたニンゲン。
キヨオミ…そう呼ばれていた。
「………そんなに生きたいのかよ…」
私は、何も言わなかった。
「…ハァ……母さん、父さん。俺…」
この時の判断が良かったのかは分からない。
でも
これが私と君との出会いだった…
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刹那 - ツ……初コメ失礼します。完結おめでとうございます!泣きました!← なんか泣きました……。これからも他作品、頑張ってください!応援してます。 (2020年5月1日 23時) (レス) id: 6e866ae0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェミロ | 作成日時:2017年12月10日 10時