任務完了 ページ8
バーボンsaid
ターゲットを始末し、車で待機していると、レディが走ってきた。
レディ「お待たせ。」
「いえ。急ぎましょうか」
ずっと疑問に思っていたことを聞いてみようと思い
「“美浜 百合”これがあなたの名前ですか？」
と聞いてみると、彼女は笑い始めた。
「そんなに可笑しいですか？」
と少しムキになって聞いた。
レディ「ええ、まあ。…ねえ、少し寄り道がしたいの。いいかしら？」
と言ってきたので、意外だ。と思った。
「ええ。いいですよ。どこがいいですか？」
どうせなら、組織の情報を少しでも多く貰いたい、と思い了承した。が、それを彼女から聞き出すことを嫌がる気持ちが湧いてきて、戸惑った。
レディ「…誰もいないところ…いえ、てきとうに車、走らせていただける？」
「ええ。いいですよ。」と、少し焦る内心を悟られまいと、微笑んだ。
しばらくして
レディ「あなたNOCなのでしょう？どこの機関なの？」
「…あなたのこと信じてもいいんですか？」と、気づいたら言ってしまっていた。
レディ「信じるも何も…言ったでしょ？誰がNOCでもどうでもいいのよ。私は、私。組織なんてどうでもいいのよ。」と、嘲笑う様に言った。
「…そうですか…僕も話しますから、あなたも話て頂けますか？」
レディ「元より、そのつもりよ。」と言う彼女から、嘘だとは感じなかったので、ホッとしたのも束の間、いきなり
レディ「あなた、公安？」と聞いてきた。
今度こそ、声にならなかった。気がつけば、何故？と声を漏らしていた。
「それよりあなたの話を聞かせてください」これが、何かの悪夢だといいと思った。
レディ「ええ。わかったわ。」
と彼女は何か決心したように、そして何か託す様な瞳をした。
レディ「…私に名前なんか、ないの…」
と、静かに語り始めた。
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作者名：サクラ | 作成日時：2018年3月9日 10時
