検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:3,459 hit

10億円強盗 ページ14

レディsaid
「どうしたのかしら?わざわざあなたの監視役の人を巻いてまで、私に会わなくてはいけない用があったの?明美」
私は目の前に座りながら呑気にケーキを食べている女性、宮野明美に問いた。
明美「まあね。…実はね、私組織とある交渉をしているって言ったよね?」
「ええ。妹と共に組織を抜けたいって言っていたわね。それで?」
かつて彼女からそんなことを聞いた。
明美「ある仕事を成功させたらいいって。私も妹も」
組織がそんな条件を出した事に驚いた。
明美「その仕事が、10億円強盗なの」
「何ですって?あなた本気?」
明美「ええ。本気よ。」
彼女は見かけによらず頑固だ。きっと止めても彼女は譲らない。それに何故組織がそんな条件を呑み込んだのか私はわかっている。
「あなた、殺されるかもしれないのよ。それでも?」
明美「ええ。やるわ。」
「そう…」
明美「それでね、頼みたいことがあるの」
「何かしら?」
明美「もし私が失敗したら、志保まで殺されるの。だからその時は、あの子を守って欲しいの。」
「あの子が殺されることは、ないわ」
シェリーは、組織の重要人物だ。そんな簡単に失いたくはないだろう。
明美「そう。それは良かった!でね、もし、私が帰って来れなかったらこれを、あの子に渡して欲しいの」
そう言って彼女は箱を渡してきた。
「あなた帰って来れたら、私があなたに返しに行けばいいのね?」
明美「ええ。お願い」
「わかったわ。気をつけて。必ず帰って来て頂戴。明美」
そう言うと、彼女は少し驚いた様に目を見開いて、
明美「ええ。ふふ、あなたにそう言ってもらえて嬉しいわ!」
彼女は上機嫌に笑った。
組織は彼女を始末したがっている。当たり前だ。NOCだった男と交際していたのだから。
「いい?組織の言うことはまともに受けてはいけないわ。」
組織のやり方は1番よくわかっているつもりだ。
明美「わかっているわよ!じゃあ、またね!レディ!うんん、莉奈!」
そう言って彼女は去って行った。
「久し振りに、その名前で呼ばれたわ」
“七瀬 莉奈”と呼ぶ人はほとんどいないし、あまり知られてない。
“莉奈”そう呼ぶのは、組織内では、あの人しかいない。バーボン。彼だけだから。
そう呼ばれた時のことを思い出して、甘酸っぱい気持ちが心の中に広がった。

宮野明美の死→←二年後



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サクラ | 作成日時:2018年3月9日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。