Half step【3】 (ページ37)

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「さいっあくや。
なんで、丈にこんな」

騙された、なんて、文句を言って

全くこちらに目もむけない。

これだけで普段おおらかな彼がどれだけ不機嫌かわかる。

「え？お前西野さんと知り合いなん、」

から始まり、

この尋常じゃない空気を読んだ誠也さんが、

「元カノやったりして？」

としたり顔で問いかけたところで、相手の目が泳ぐ。

いや、わかりやすすぎやろ…

「なぁ、大地～
どこでお姉さん捕まえたん？」

誠也さんは私のことを「姉」そう表現する。

大吾の姉で認識してるのか、単に名前を覚える気がないのか

…たぶん後者やろうな、

それにしても

同期と、弟の知り合いが友だち

その上、元カレとも仲がいいとは、

私はどんな狭いコミュニティで生きてるわけ？？

佐倉ちゃんは、誠也さんに2人でカウンターの方に行った。

大丈夫かな？心配で、話が一時的に入ってこなくなった。

「ね、西野さん、」

「へ？呼んだ？」

「色々話してて、俺結構2人いい感じやと思ったんやけど。」

「身長だけじゃないん。」

「ぶっふ、」

飲んでたビールを吹き出しかけて、豪快に笑う大地。

可愛い顔して、お酒がめちゃくちゃ強くて。

身長が小さくて中学生に間違えられるのに、身体は異常にムキムキで、

…何回かは、ノリでお姫様抱っこもしてもらったんやったっけ？

「Aと居酒屋入ったら2人して止められたけどな、」

そうそう、2人して大爆笑して
大地のせい、Aのせいやって押し付けあって。

…何考えてるんだろ