Half step【3】 (ページ36)

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『今日は、後輩の女の子と出かけてます。』

す
私の不注意なのか、良規の過保護が過ぎるのか

ほんとに些細なことで喧嘩になりかけるから、そういう火種は燃焼物とぶつかって燃え上がる前に消しておく。

けど、別に言わなくてもいいんだと思う

あっちだって、勝手にあっちやこっち行ってるのがわかったんだし

……なんで言ってくれなかった？
なにか隠したがってるのは、良規じゃないの

モヤモヤしてしょうがない。

佐倉ちゃんが忘れられないと言ってた人は、やっぱり私の知ってる人だった。

ハッキリ言って誠也さんは苦手だ。

チャラそう、モテそう、節操がなさそう。

見た目から意外、なんてない。

見た目通りの人っぽいから。

誠也さんらしき人とあと2人男性がいる。

てか、誠也さん、結構有名人なんやから、こんなとこで大口開けて笑わんといてほしい…
遠目で見てもめちゃくちゃ目立ってたのに

「ええやん、俺普通のサラリーマンやし。」

どうやら思ってたことが口から出ていたらしい。

けど、言わないと気が済まない私の性格上許してほしい。

「普通じゃないです、」

と言いながら、隣の人を見て驚く。

「そう言えば、誠也さんとうちの藤原さんはお友だちみたいです、」

同期の藤原くんがいた。

「西野さん、お疲れ様～」

けれど、

「はっ？」

私の声が大きすぎて、場の声が一斉になくなる。

私の固い顔を見て、困った顔をしたのは気ぃ遣い藤原くん。

「…あかんかった？」

だけどそれどころじゃない。

「なんで、」

「えっ？」

「なんで、あんたがいんの？」

この苦笑いしかしない
藤原くんの向かいに座ってたこの男

元カレです。