Half step (ページ31)

今日:8 hit、昨日:8 hit、合計:193,863 hit

31 ページ31

「あんたさぁ、店で起きれんくなるまで飲むなよ。」

潰れるまで飲んだ記憶はない。

けど、思い当たる節はあった。

「すいません、けど飲みすぎたんやなくて…。
最近バンドの動画見漁ってたからほとんど夜寝てなくてそれで」

「は？…寝不足？」

「はい、」

「…アホなんちゃう自分。」

全くその通りです。

「起きひんから家まで運んであげた。
し、か、も！ベッドにまで寝かしてあげた。」

「あの…西畑だ、西畑さんは、どこに…」

「リビングのソファ」

家の主をそんなところに追いやって私はすやすやと寝てたというのか

「その辺に転がしといたら良かったのに…」

「はぁ？
そんなんしたら、正門が気使って自分のベッド譲るやろ」

さっきもそんなこと言ってたな…

正門くんの言動は、女子が全員お姫様やと思っているかのような扱い

…正直、そういう理想は捨てた方がいいと思う

デスクチェアの上に丁寧に置かれていた私の荷物の中から札を取り出して、彼に差し出す。

「なにこれ？」

「お詫びの、…タクシー代？…宿代？」

はぁ？
そう大袈裟にため息を吐くと

「タクってへんし、ホテルでもないからいらんわ」

面倒くさそうな顔をする。

けど！

「とりあえず、！…それをお納めください。」

神さま仏さま、
全くもってこの5000円札でどうにかなるなんて思ってませんが、

…なんかしらの間違えでもいいから、

西畑大吾の脳内から今日の日の出来事を消してください…！！