Half step (ページ13)

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土曜日の朝、スマホを見て思わず声を出すところだった。

何この通知の量！

…てか、こんなに送れるんや、と感心するレベル。

昨日の夜、1人虚しく帰り、帰ってからはお風呂入ってすぐ布団に入ったからわからなかったけど、まさか…

意を決して、佐倉ちゃんの画面を開くと、

『Aさん、いつ帰ってたんですか！』

から始まり、

『あれから一緒に話してたんですけど、』

『なんかはぐらされてあんまり教えて貰えなくて。』

あ〜なんかそんな感じするわ。

『でもそんなミステリアスなところも魅力っていうか〜』

『めちゃくちゃカッコよかったです♡』

いやだから、やつは同棲してるって。

【だから、同棲してる相手いるからやめた】

まで打って、次のメッセージの存在に気づく。

『正門さんって、結局どういう関係なんですか！？』

ん？
…正門って、誰？

佐倉ちゃんなんか勘違いしてる。

これはどうなってんの？

「あ！」

さきほど、途中まで打ってた文章を指が当たって送ってしまった。

すぐに取り消そうとするものの、これだけ送ってきてた人が返信を待っていないわけがなくて、すぐたま既読になり、

『は！？』

という返事とともに、着信に変わってしまう。

「もしもし佐倉ちゃん、」

『どういうことですか！』

「あのね、」

本当は忘れて欲しかったけど、そんな事してもらえそうもなかったから全て話した。

父の再婚相手の連れ子なこと、

1度会ったことがあったけどお互い第一印象が最悪やったこと、

多分名前は正門ではない件、

そしてたぶん彼女持ちなこと。

『えぇ〜せっかくイケメンだったのに〜』

「それでも二股はダメ！それに一応私の弟になる訳だから、オススメはできんよね…」

『しょうがないけど、またマッチングアプリこつこつやりましょ！』

そうだ、

この前2人で登録したアプリ、すっかり忘れてる。

25歳、婚活に向けて頑張るか〜とベッドの上で気合を入れてアプリを開いた。