Story 9. ページ10
*
｢終わったー！｣
恭平｢お疲れ。」
｢手伝ってくれてありがとう。｣
恭平くんが手伝ってくれてなかったら
届かない！って黒板の前でぴょんぴょんしてたこと
だろう。
恭平｢こっちおいで｣
教卓に座りながら私を呼ぶ恭平くん
｢ん？｣
恭平｢白いまんまじゃ帰れんやろ｣
｢あ……｣
チョークの粉を払い落としてくれる彼の指が
私の髪をスーッと通って行く。
またしても不思議な感覚に襲われる。
心の奥がザワつくような感覚。
見詰め合い数秒間の沈黙。
駿佑｢(ガラッ)おい、恭平！！｣
恭平｢Aお迎えやで。んじゃ、お疲れ。｣
沈黙を切り裂いたのは意外にも駿佑だった。
そしてなぜか逃げるように帰って行った恭平くん。
駿佑｢2人で何しとったん｣
｢大吾くんに頼まれて週番の仕事代わりにやってた｣
駿佑｢恭平は？｣
｢身長的に1人じゃ出来ないから手伝ってもらった｣
駿佑｢なんで恭平に頼むん。俺に頼んだらええやん｣
そんなの、別れた元カレに頼れるわけないでしょ
と言い返したくなった気持ちは一瞬のうちに消えた。
駿佑｢Aは俺のや……｣
駿佑の独り言によって。そして、伸ばされた腕で
包み込まれたその温もりによって。
｢…… しゅん？｣
駿佑｢あ、ごめん…… 何も無い。｣
私の声で我に返ったのかすぐに離れる私たち。
駿佑｢幸せにしてもらうんやで｣
ぽつり、と独り言のように呟きを残して
去って行った駿佑。
その首元には、私とのお揃いのネックレスが
まだしっかりと光っていた。
そのことに気付いて私も何か伝わることを願い
ネックレスを付け直した
駿佑、駿佑は何を考えてるの？
今のハグは何？
何でネックレス外してないの？
幸せにしてもらえって何？
溢れる疑問が脳内を支配して行く。
分からない、分からなすぎる。
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みちな - 話がとても良くてガチ泣きしました(´；ω；｀) (2021年12月5日 2時) (
レス) @page41 id: 228593dfcc (このIDを非表示/違反報告)
*** - お話､読ませていただいています！ 続きがとっても気になります！ 体調に気をつけて更新頑張ってください♪ (2020年9月14日 17時) (レス) id: ccffd8a26d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - お話の流れも会話もとても上手くて一気に引き込まれました！続きがとても気になります。無理のないペースで構いませんので更新楽しみにしてます！ (2020年9月12日 10時) (レス) id: 5534ff297a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅恋 | 作成日時：2020年9月10日 9時
