Story 23. ページ25
駿佑 Side
恭平から話がしたいからと昼休みにバスケ部の
部室に呼ばれた。
駿佑｢恭平？話って何？｣
恭平｢俺、もうみっちーが相手でも遠慮しやんから。｣
駿佑｢何の話？｣
分かってる、分かってるんだ。
恭平はあのときから
凄く優しい表情をするようになった。
春の地区大会に出れるかどうかの
大事な試合の日、俺たちは負けた。
皆が残念そうにする空気のなか1人だけ
"かっこよかったよ！"って全力で拍手してた
女の子がいた。それがA。
恭平はきっと、あのときからAに惚れてた
んだと思う。
恭平が本気を出せば俺なんて相手にもならない。
恭平のかっこよさは俺が1番理解してるから。
あれから半年近く何も無く俺とAが
付き合ってこれたのは、恭平が本気を出さなかった
からだって今なら痛い程分かる。
恭平｢男なら正々堂々好きな女のために戦おうや｣
駿佑｢かっこつけすぎ｣
恭平｢逃げんな。どうせ負けるとか思ってるんやろ｣
負けるに決まってる。負けたから俺はAと
別れたんだし。
駿佑｢この勝負、もう結果出てるやん。｣
恭平｢諦めてええん？みっちーの気持ちその程度なん｣
駿佑｢いや｣
恭平｢だったら。｣
恭平が俺の手を取り拳を握らせ、そこに自分の拳
をぶつけて来た。
俺たちが何か勝負に挑むとき、必ずやる
勝負開始の合図。
恭平｢俺のハンデは時間と心、お前のハンデは距離と肩書き。｣
駿佑｢どゆこと？｣
恭平｢Aと一緒にいた時間はみっちーの方が長いんやし、それにみっちーに本気やったやろ｣
そういうことか、1回は本気で俺のこと愛してくれた
だから俺はAの彼氏でいられたんだ。
そうだ、彼氏としての時間は恭平より俺の方が！！
駿佑｢恭平、お互い手加減無し。勝負や｣
恭平｢おん、約束。｣
恭平は俺からAを奪えて、それでもう勝ち
そう判断して良かったはずなのに、そうしてないのは
もかしかしたら……
昨日言われた"Aを返す"発言。
俺らが喧嘩した理由、そうか、そういうことか。
駿佑｢Aは俺のこと！！｣
恭平｢やっと気付いたん、遅いわ｣
*
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みちな - 話がとても良くてガチ泣きしました(´；ω；｀) (2021年12月5日 2時) (
レス) @page41 id: 228593dfcc (このIDを非表示/違反報告)
*** - お話､読ませていただいています！ 続きがとっても気になります！ 体調に気をつけて更新頑張ってください♪ (2020年9月14日 17時) (レス) id: ccffd8a26d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - お話の流れも会話もとても上手くて一気に引き込まれました！続きがとても気になります。無理のないペースで構いませんので更新楽しみにしてます！ (2020年9月12日 10時) (レス) id: 5534ff297a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅恋 | 作成日時：2020年9月10日 9時
