◇ 開始のゴングが鳴り響く ページ2
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オリヴィア side
あんなにも夢見た我々学園の校舎をこんなに近くで見れるなんて！
真新しい制服に身を包まれながら、大きな校舎を見上げる。
横切る生徒たちの楽しそうな話し声。
風に乗せられゆらゆらと目の前を舞う桜。
⎯⎯⎯ああ、なんて楽しみな学園生活が始まるの！
なんて思うかバーーーッカ！！！！！
私は、真新しい制服に身を包まれながら、【死んだ目で】大きな校舎を見つめたのだ。希望や期待なんて籠ってない。
さいあくだ、ほんとうに、さいあくだ。
絶望感に押し潰されそうになりながらゆっくりと歩き出す。
遂に、遂に始まったのだ。
「乙女ゲームの主役は我々だ！」が。今日がその始まりなのだ。
生前、私は冴えない女子高校生だった。
友達もほとんど居なかったし、部活動や委員会にも入ってないから放課後はいつも暇。そんな時に暇つぶしとして始めたのが「乙女ゲームの主役は我々だ！」である。
魔法系・貴族系・学園系、全てが詰まったまるで欲張りセットのようなコレが、まあ、めちゃくちゃ楽しかったのだ。
⎯⎯⎯だけどソレは、傍観者だからであって。プレイする側だからであって。当事者になりたい訳では断じて無い！
⎯⎯⎯⎯⎯ましてや、悪役令嬢なんて！！
『 オリヴィアさま〜〜ッ！！ 』
or「 ゔ！ちょっと貴女ね、 」
『 朝から綺麗ですね〜！ 』
考え事をしながら歩いていたら、後ろから思い切り突進される。
見なくてもわかる、走って突進してきたのは原作でも登場していた【A=パナケイア】。作中の中では唯一の常識人枠。
そして私の幼なじみである。
ゆっくりと後ろを振り返って目を合わせる。
治療能力特有のオパールグリーンの髪がふわりと揺れた。
or「 A、何度も言うけど急に後ろから抱きつかないで 」
『 え〜！でもでも 』
or「 でもじゃないの、危ないでしょ？私が怪我してもいいの？ 」
『 ……ごめんなさい 』
反省したように顔を伏せるA。
ゲームの世界に転生していることに気づいた頃には、彼女はもう私の隣にいた。私にひっつきながらアイスを食べていた。
彼女は多分、いや絶対、私に相当懐いてる。
or「 …次から気をつけたらいいわ 」
『 わーん！オリヴィアさま、ありがとうございます！ 』
そして私も、結構彼女に甘い。
わかりやすい表情や行動、声色がなんだか「子犬」を見ているみたいで、ついつい甘やかしてしまう。
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はまち - 面白い作品の予感がする…！更新頑張ってください‼︎ (6月29日 19時) (
レス) @page3 id: d0d832b347 (このIDを非表示/違反報告)
kgy - （これはまさかそのうちゾムさんも出るのでは!?）頑張ってください!! (6月28日 17時) (レス) @page3 id: 2877c153f4 (このIDを非表示/違反報告)
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