いとこ ページ7
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A side
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『 ん゙〜… 』
鼓膜に大きく響く交響曲第九番に思わず眉を寄せて目を開ける。
カーテンの外を見ればすっかり日が昇っていて、隣にはまだすうすうと寝息を立てる旦那さん。
ゆっくりと起き上がってフローリングに立つと、ヒヤッとした感覚に思わず目が覚める。
さむ、なんて小さく呟きながら時計を見ると朝の8時。
とりあえず洗顔をして脳を覚ませば、どことなく視界がはっきりする。
スムージーを2杯分作ってから、まだ寝てる天心を起こしに寝室に向かう。
『 おーい、起きんしゃーい 』
天心「 んぁ… 」
『 ほらほら、今日は朝からテレビ撮影ですよ〜 』
そう言って体を揺らせばもそもそと起き上がる天心。
『 おはよ 』
天心「 んー…おはよ… 」
『 寝癖すごいね〜 』
天心「 なおして… 」
『 はいはい笑 』
まだまだ眠そうな天心を立たせて半ば引きずるようにリビングに向かう。
コップ一杯の水を目の前に出すとゴクゴクと飲み始める。
『 寝起きで一気、やっぱいつ見てもすごいわ 』
天心「 ん?毎朝見てるじゃん 」
『 そうだけどさ〜 』
天心「 あ、そうだ、今日の夜一緒にランニングしよ 」
『 いいけど、どうしたの? 』
天心「 新しくシューズ買ったから! 」
『 あー!あのオレンジの?玄関にあったやつ 』
天心「 そう!かわいいでしょ? 」
『 うん!かわいかった 』
天心「 お揃いの買ってるよ 」
『 え!!すき 』
天心「 え!!俺もすき 」
そんな会話をしながらちらりと時計を見るともう9時になりかけていた。
『 あ〜!天心遅刻しちゃうよ! 』
天心「 あ、ねぐせ 」
『 ああそうだった。急ごう! 』
天心「 あ、スムージー…あ、でも寝癖…あ、髪の毛治しながらスムージー飲めばいいのか! 」
ドライヤーで髪を治すように撫でる。そんな時でも私の作ったスムージーをゴクゴクと美味しそうに飲む天心に思わずにまにましてしまう。
天心「 なに、どうしたの?笑 」
『 え〜?なにが〜? 』
天心「 ニヤニヤしてるよ?え、変にしてるわけじゃないよね!? 」
『 それはないから!笑 ただなんか、幸せだな〜って 』
天心「 …俺やっぱ仕事行くのやめようかな 」
『 なにバカなこと言ってんの!治したから支度して! 』
天心「 あーい 」
身支度を済ませていく天心の後ろ姿を見ながらドライヤーを片づける。
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サクラ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2023年3月21日 23時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
てん - 更新まってます!💘💘 (2023年1月6日 21時) (レス) id: 2532c52d54 (このIDを非表示/違反報告)
キョンシー(プロフ) - さいこーです!更新楽しみに待ってます!! (2022年11月2日 23時) (レス) @page12 id: 84d2022181 (このIDを非表示/違反報告)
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