きゅるりん！ (ページ27)

今日:73 hit、昨日:71 hit、合計:6,547 hit

□メロンまるごと？ページ27

・

今日も朝から街の平和を守るための巡回。
メロンパン号で巡回するのも、だいぶ慣れてきた。

『それで、子犬が頑張っておばあちゃんの元に駆け寄るんです〜
　私、それでめっちゃ感動しちゃって〜！』

伊吹「ふーん！かわいいね♡ ( Aちゃんが ) 」

私がさっき見た泣けるアニマル動画の話をしていると、
コンコンっと窓から軽快な音が聞こえた。

JK「あの、ひとついくらですかー？」

伊吹「えっ？」

JK「ひとついくらですかー？」

『あ、メロンパン？メロンパン食べたいんですかー？』

志摩「反応するな…！」

どうやら、メロンパンの移動販売だと思ったらしい。
まあ、こんな外観なんだからそう思われても仕方ない。

JK「メロンパンー！」

伊吹「えっとねー、」

志摩「はあ……ごめんねー、今ね売り切れなんだ」

JK「あ、いちご味でお願いします！」

伊吹「いちご味いいね〜！」

志摩「いちご売り切れなんだー」

『味のバリエーション豊富でしょ〜？』

JK「はい！全部美味しそう〜」

志摩「おい、青青青」

伊吹「わかってるよ！」

JK達と話していたらあっという間に信号が変わってしまった。
残念そうな顔を浮かべているJK達を横目に、車を発進させる。

『えっ、てかメロンパンの店で初手いちご味いきます？』

志摩「はあ？そこかよ！」

伊吹「えっ、俺結構いくよ？」

『うーわ、伊吹さんめっちゃぽいです！
　初手であえて変わり種とか頼んでそうですよね！』

伊吹「えー！どんな偏見！まあ合ってるけど！」

志摩「お前らなあ…！」

伊吹さんは周りと少しズレてる感じがする。
決して悪い意味ではなく。私の周りにはいなかったタイプ。

伊吹「てか、メロンパンいくらにする？1個1000円かな？」

志摩「高いだろ」

伊吹「えー！Aちゃんどう思う？」

『高いです！メロンパンに1000円は出せません』

伊吹「でも、メロンまるごと入ってるんだよ？」

志摩「いや入らない。メロンまるごと入るパンって、どんだけでかいんだよ。カバンの中に入んないよ」

伊吹さんは、「まるごとメロン」をそのまま捉えて、本当にパンの中にメロンがまるごと入っていると思っていたらしい。

てか志摩さん、カバンの中にメロンパン入れる前提なの面白いなあ、と思ったけど言ったら怒られる気がしたから口を閉じた。

・