□あまやかす ページ26
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志摩さんの話を聞き流しながら着替える。
……あ、チャックが。チャックがうまく外れない。
伊吹「 朝からよくそんなに口回るよねっ 」
桔梗「 口回るよねっ 」
伊吹「 ねえ〜っ？ 」
志摩「 隊長、伊吹を甘やかさないで！ 」
『 隊長〜チャックがうまくできません〜 』
桔梗「 ほら、やってあげるからこっちきて 」
『 は〜い！ 』
伊吹「 俺より甘やかされてる子、いるけど？ 」
『 え？ごめんなさい話聞いてなかったです！ 』
桔梗さん、お母さんみたいだなぁ。
こういうお母さんだったら、私も違う道を歩んでたのかも。
桔梗「 A？できたよ 」
『 わー、ふふ。ありがとうございます！ 』
桔梗「 私は、問題起こさず仕事してくれれば何でもいい 」
九重「 あの… 」
志摩「 問題起こします！ 」
志摩さんが伊吹さんを呆れたように指さす。
志摩さんって、伊吹さんのこと言えないくらい自分もだいぶ破天荒な真似してるって気づいてないのかな。
九重「 お話中に横から失礼します。先程から仕事外の雑談をしているように見受けられますが、少し… 」
伊吹「 出た、口回るパート2 」
『 ねえねえ伊吹さん、世人先輩と志摩さんが早口言葉対決したらどっちが勝つと思いますか？ 』
伊吹「 えー？俺は〜、志摩に賭ける！ 」
『 では私は世人先輩に！ 』
伊吹さんとこそこそ話していたら、聞こえていたのか志摩さんにも世人先輩にも睨まれてしまった。ひょえ〜。
私と伊吹さんは少し逃げるように陣馬さんの元へ行った。
九重「 この部屋はなんですか？ 」
桔梗「 何って、4機捜の分駐所。芝浦署のすぐ裏なんていい立地でしょ？今建て替えのお金が無いからしばらくこのまま 」
九重「 こんなにラフでいいんですか？本部の方がよかったです！ 」
桔梗「 あそこはもう使わせませんって総務から怒られたの。
窓からうどんの湯切りした人がいたって。 」
『 え！なにそれめっちゃウケますね 』
陣馬「 誰だそんなけしからんことしたやつは！…俺だ！ 」
「「 ハッハッハッハ！ 」」
陣馬さんと伊吹さんが大口で笑う。
陣馬さんなんだ！まあ、だろうなという感じだけど！
桔梗「 贅沢言わずに使えるものは使う。無線も保管庫も、必要最低限のものは入れたから。あとは創意工夫でやってください 」
桔梗さんが私たちを見渡しながら言った。
それにしても、ソファもあるなんて…最高…
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