□きゅるんきゅるん ページ3
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志摩 side
そう言ってにっこり笑う女性。
水島は顔を引き攣らせながら、応えるように笑った。
水島「 フ、フフッ。可愛いお嬢さんもいることだし、ここは警察の顔を立てようかなっ。ハハハッ 」
『 そうですか？ありがとうございます！ 』
志摩「 ナンバーは控えたんで、今後の運転は慎重に。 」
伊吹「 慎重にな！ 」
水島「 ぜってぇ書いてやるからな！ 」
志摩「 早く行って〜、早く行って〜 」
また揉め合いが始まりそうな2人を引き離して、無理やり帰らせる。
志摩「 相手を刺激して揉め事を起こさないでもらえます？ 」
伊吹「 あいつほっといたら危ないでしょ 」
志摩「 それを上回る危ないことをするな 」
伊吹「 上には上がいるって見せていくスタンス〜 」
俺、こいつとやっていけるが自信ない。
ああ言えばこう言って、注意に全く耳を貸さない。
伊吹「 てか、そこのきゅるりんお姉さん！ 」
『 …はい？ 』
伊吹「 さっきはありがとう！ 」
『 いえ！当然のことをしたまでです！ 』
志摩「 いえ、助かりました。ありがとうございます 」
『 いえいえ！本当、気にしないでください！ 』
うわー。俺の相棒、こういう人が良かったな。
伊吹「 ていうか、さっき4機捜に配属されたって言ってたけど 」
『 はい！新しく配属された早瀬Aです！よろしくお願いします！ 』
志摩「 あれ、でも朝いませんでしたよね？ 」
『 はい！遅刻しました！寝坊で… 』
志摩「 ……なるほど。志摩一未です。よろしくお願いします 」
伊吹「 俺、伊吹藍って言いまーす！よろしく！！ 」
『 よろしくお願いしますっ 』
自己紹介をして握手を交わす。
しばらく早瀬さんのことをニヤニヤと眺めていた伊吹。
すると、ハッとしたように辺りを見渡す。
伊吹「 あれ、ばあちゃんは？すっ転んだ 」
志摩「 あっ 」
2人でさっきおばあちゃんが転んだ場所に駆け寄るが、
そこにはもう誰もいなかった。帰ったのか…
少し視線をずらすと、ピンク色の袋が落ちていた。
あ、これ…
志摩「 おい 」
伊吹「 うん？なにこれ？ 」
志摩「 おばあちゃんの落し物。あんたが道を譲っていればおばあちゃんは転ぶこともなく、誰かにあげるはずだった大事なおもちゃも落とさなかった 」
伊吹「 …オーケー！じゃあちゃんと届けるよ 」
そこまで言うと、伊吹はにっこり笑って車に戻って行った。
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