□マウント ページ15
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陣馬「 待て待て！ 」
志摩「 100歩譲って犯人の車を見たとして、多摩ナンバーの車はエンジン音が似てたってだけだろ 」
伊吹「 同じ！違うナンバーに帰る前に緊急配備で捕まえないと 」
陣馬「 別人だったらどうするんだ 」
伊吹「 俺の耳は正しい 」
陣馬「 あのなぁ 」
志摩「 緊急配備までして"間違いだった"じゃ済まないんだよ！！ 」
怒鳴り声と志摩さんが蹴って崩れ落ちた荷物の音に、
思わず肩を揺らして、足が後ろに下がる。
九重「 っと、大丈夫ですか 」
『 …っあ、ごめんなさい 』
九重「 …… 」
すぐ後ろにいた九重さんにぶつかってしまった。
九重さんは私の様子を見兼ねて、少し背中を摩ってくれた。
志摩「 俺たち警察は権力を持っているからこそ、慎重に捜査しなければならない。そのための規則で、そのための捜査手続きだ。
奥多摩の交番から来た素人が野生の勘だけでしゃしゃってんじゃねえよ！
……俺までマウント取っちゃったじゃないか！ 」
伊吹「 なんだかテンション上がってきたー！！ねえ！ 」
志摩「 今の状況で緊急配備は無理… 」
伊吹「 じゃあどうする？ 」
志摩「 やるなら、ルール内でやる 」
そう言った志摩さんを見て、伊吹さんは満足気に笑った。
志摩「 班長どうしますか！ 」
陣馬「 いいだろう。隊長に一報入れて当番勤務が終わる朝の9時まで、俺たちだけで白い車の捜索にあたる。
ただし！他の事件の呼び出しが入ったらそっちを優先。 」
明日の朝9時まで、という制限時間と陣馬さんが出したルールの中、
4機捜だけでの白い車捜索が始まった。
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数時間して、近くの店の防犯カメラの映像を入手した。
『 づがれだ〜…… 』
九重「 これだけの量、どうやって見るんですか？ 」
陣馬「 1機捜専属の解析チーム、スパイダーの手を借りる 」
糸巻「 隊長から連絡もらいました。偽造ナンバーの車両 」
志摩「 はい、深川通りのおもちゃ屋前を21時頃通過した白いステーションワゴンで、この時は多摩ナンバー。
付近一帯の防犯カメラ映像をできるだけ集めました。
この車両の前足と後足、その他なにか情報があれば。 」
糸巻「 速やかに、発見します 」
志摩「 お願いします 」
『 あと もし映ってたらこのおばあちゃん捜して欲しいんです…
このおばあちゃん きっと映ってると思うので！ 』
糸巻「 できる限り、探してみます 」
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