□エンジン音 ページ14
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送られてきた画像には、8件の通報と場所が記されていた。
九重「 どうして捕まってないんですか？ 」
陣馬「 ナンバーがバラバラなんだ。おそらく、複数枚の偽造プレートを付け替えて走ってる。この犯人に煽られて、煽り返した車の末路がこれだ。 」
フロントガラスが割れている車の画像。
やり返しただけで、こんな仕打ちなんて…
『 最悪ですね… 』
陣馬「 執念深く家まで尾けられたらしい 」
九重「 つまりこの事件は、煽り運転の水島がより悪質で凶暴な煽り運転をするドライバーと出会い、殺されかけた… 」
陣馬「 まったく、間抜けな話だなぁ 」
志摩「 不毛だな〜 」
煽り返されただけで殺そうとするなんて、どうかしてる。
九重「 どうしてあおり運転をするんですか？ 」
伊吹「 負けたくないからに決まってんじゃん 」
陣馬「 車ってのは自分一人の空間だ。その中で気が大きくなるってのもあるんじゃないか？ 」
志摩「 車の威を借りてマウントを取る。だけどマウントの取り合いは悲劇しか生まない。……おい、聞いてるか？ 」
伊吹「 ねえ、さっきの車さぁ、やっぱそいつじゃない？ 」
志摩「 うん？ 」
志摩さんの言葉を無視して食い気味に言う伊吹さん。
伊吹「 深川通りのおもちゃ屋の前で白い車見たんすよ。その時は何だっけな…あ、多摩ナンバー 」
九重「 多摩ナンバーの通報はこれまでありませんけど 」
陣馬「 どうしてそれが犯人の車だって思うんだ？ 」
伊吹「 何となく 」
志摩「 うわっ。 」
伊吹「 いや、なんか引っかかってて。前に見た車と同じかも〜 」
志摩「 俺たちは映像で見ただけ。犯人の車を直接見てない 」
伊吹「 …なんだろう、なんか感覚？ 」
前に見た……？
あ。
『 そういえば昼間、伊吹さん何か気にしてましたよねっ…？！ 』
そう言った瞬間、伊吹さんに思い切り肩を掴まれた。
『 ちょ、えっ…… 』
伊吹「 ……っああ、スッキリした！！エンジン音が同じだ。
ありがとう早瀬ちゃん！！ 」
そう言ってガバッと抱きつかれる。
抱き、……え？？
志摩「 ちょ、離せバカ！セクハラだ！ 」
伊吹「 おもちゃ屋の前で見た時、多摩の…なんだっけ！ 」
志摩「 多摩300"し"の12-15 」
伊吹「 やるじゃーん！そのナンバーで緊急配備！ 」
完全に確信している伊吹さんだけど、
エンジン音が同じなだけで緊急配備できるほど警察も単純じゃない。
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