□チェンジあんどソウル ページ12
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店主「 はいはい、おばあちゃん買って行きましたよ。
それが、午後にもう一度来て、おもちゃ無くしちゃったって。
あんまり悲しそうだったんで、深川通りのおもちゃキャプテンならまだあるかもよって。 」
おばあちゃんが落としたステッキを見て、店主さんが言う。
『 おもちゃキャプテン？ 』
店主「 うん。あっ、ちょ、ちょっと待ってください。それで分かんないって言うからね、地図をね、渡してあげたの 」
志摩「 これちょっと貰ってもいいですか？ 」
店主「 いいですよ 」
伊吹「 行こ行こ行こ 」
・
地図を頼りに「おもちゃキャプテン」へ来てみたが、もちろんこんな時間にやっている訳もなく、既に閉店している。
電話をしても、中で電話の音が聞こえてくるだけ。
志摩「 誰も出ない。明日にならないと無理だな 」
伊吹「 この通りにある防犯カメラの映像全部調べてばあちゃん捜そうぜ 」
志摩「 人捜しは機捜の仕事じゃない 」
『 でもっ…… 』
志摩「 もしやるなら、俺たちだけで勤務時間外に防犯カメラの映像を一つ一つ目で見て捜さなきゃならない 」
『 そんなことしてたらおばあちゃん死んじゃいます！ 』
志摩「 だからこそ、生活安全課に任せた方が… 」
はばたっ はばたっ はばたけ空に！
チェンジ あんど ソウル！
志摩「 …早く帰って報告しよう 」
伊吹さんがステッキのスイッチを押し、志摩さんに被せるようにキャラクターのセリフが流れ出す。
志摩さんはそれを奪い取って車へ歩き出してしまった。
伊吹「 なんかなあ、ピンと来ないなあ 」
『 ピンと？ 』
白い車が横を通った時。
伊吹さんが勢いよく車の外に出て白い車を目で追いかける。
────まるで、昼間ぶつかった時みたいに。
伊吹「 ねえ、今の犯人じゃない？ 」
『 車種は同じでしたけど、多摩ナンバーでしたね。
犯人のは足立ナンバーのはずです！ 』
伊吹「 なんかそんな感じした 」
志摩「 感じで言うな。同じステーションワゴンは都内に何万台も走ってる！ 」
伊吹「 うーん。 」
伊吹さんはそれでも納得できないようで、走って行ってしまった車をずっと目で追いかけていた。
これは女の勘だけど、伊吹さんの勘は本当に当たりそう。
志摩「 行くぞ！ 」
志摩さんがそう言うと、伊吹さんは名残惜しそうに車に乗った。
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