憂、燦々 (ページ2)

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「なにが？」
「この関係。いつからだっけ、って」
「あー。いつからだっけ」

最初は多分、

「Aから告白してくれたのがきっかけじゃない？」
「うん、多分そうだよね」

元々、保育園のときからの幼なじみで、
いつしか、わたしが大兼に友情以上の感情をもって、
高校一年生のころ、やっとその気持ちを打ちあけたとき。

「嬉しかったな、あのとき」
「でも、断ったじゃん」

大兼は少しだけ悲しそうな顔をしたあと、
ごめん、って小さくつぶやいたのを今でも覚えている。

「はは、うん、そうだね」

「大兼、すき」
「え？」
「ずっと、すきだった」
「…ごめん」
「ううん、気にしないで」

「そのあとさ、そのままAん家来たよな」
「まあ、もともとその予定だったしね」
「そうだったっけ？あーそうだ、勉強会の」
「そうそう。勉強会するからなんか買ってこって」
「あー、コンビニ帰りに告白してくれたんだっけ」

「あ、思い出した。それで、その後。」

わたしの家で、予定通り勉強会をした。

何事もありませんでしたって顔でふたりで勉強して。
ゲームして、お菓子食べて、漫画読んで。
いつもみたいに、ふざけて、笑いあって。

「大兼、この問題わかんない」
「どれ？あー、俺もわかんない」
「ははっ、もう」

でも気づいたら、顔近くて。
　気づいたら、見つめあってて。
　気づいたら、大兼の指がゆっくりわたしの指に絡まって。

どちらともなく、キスをしていた。

「あ、ごめ」
「もっかい、」
「え？」
「もっかい、したい」
「…いいの？俺、さっき振ったばっかだし」
「いいよ」
「俺、とまんなくなるかも」
「…とめなくても、いいよ」

それでそのあと、最後までした。
すこしの恐怖と、いっぱいの背徳感。
大人になったって、いたい勘違いとかもしちゃって。

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