小指に鎖をかけて、行く先のない愛を繋ぎとめた ページ29
.
「……はあ」
「ったく、ここ3日間ため息ばっかりじゃん。どうした？」
駅前の居酒屋。紫耀と2人で飲むなら家でも良いはずなのに、なぜか紫耀にここを指定された。どうやら、季節限定のお刺身の盛り合わせが美味しいらしい。
「……連絡がこない」
「あいつから？
……むしろ良いじゃん、だって考えてみろって。
あいつと上手くいくわけがないし、もし上手くいったとしても結衣に申し訳ないって想い続けるんだろ？」
「そう、だけどさ……」
結衣に申し訳ないとはたしかに思うかもしれない。
でも、この前ネックレスを忍ばせたのは私。
私と廉を繋いでいたものが手元になくなって、廉とは永遠に会えないんじゃないか、って、拠り所のない不安に襲われる。
「この機会にあいつはやめて、他の男にしろって。
会社でも誰かしらいるだろ、ほら、例えば隣の部署の�盒兇箸�？」
「だって今、廉しかタイプの人いないんだもん。
紫耀、いざとなったら私のこと拾ってね？」
「拾うって……、
あのさ、俺、ずっと」
先の言葉を遮るように、スマホが震える。
『いつもの場所』
やっと来た連絡には、これ以上、先の言葉はない。
「……ねえ。
ごめん、行ってくる」
「……ったく、変なことすんなよ？」
5000円札をテーブルに押し付けて、お店を出る。後ろから紫耀の声が追ってきた気がするけど、振り返らずに走った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひかる - うわぁ、衝撃のラストやん。なんやかんやヒロインが一番クズい？笑 紫耀と不倫の続編になるのかなぁこれは←期待笑。ヒロインが結婚して、その旦那が結衣と…みたいな展開かな笑 続編期待しちゃってもいいですか？笑 (2019年4月5日 23時) (
レス) id: a5e5ff503d (このIDを非表示/違反報告)
Akani(プロフ) - 凄くこの作品が好きです。続きが気になるので是非続編を書いて欲しいです。 (2019年2月16日 17時) (レス) id: bb2d88d55e (このIDを非表示/違反報告)
sanzio(プロフ) - この作品凄く好きです！ループな感じが大人で沼ですね、、、廉くんには正直腹が立ちますし（笑）みんな正直になれていたら？とタラレバを考えたらキリがない所がこの作品の最大の魅力かなと思います。ループで沼です。これからも素敵な作品期待しています！！ (2019年2月5日 19時) (レス) id: 8ab9e64be6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - ぴにょさん» ぴにょさん、ありがとうございます！賛否両論ありそうなお話ですが楽しんでいただけたようで幸いです！廉くん、紫耀くんサイドで様々な想像の余地がありますが、機会がありましたら続編書かせていただきますね！お付き合い頂きありがとうございました！ (2019年2月5日 11時) (レス) id: 5c047cc90b (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - チョコさん» チョコさん、コメントありがとうございます！クズを書くのは怖さもありましたが楽しんでいただけたようで嬉しいです！ 想像の余地がありすぎる終わり方でしたが、機会がありましたら続編書かせていただきますね！お付き合い頂きありがとうございました！ (2019年2月5日 11時) (レス) id: 5c047cc90b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん
| 作成日時：2018年11月30日 20時
