苦いコーヒーには、お砂糖を一匙 *2 [Sho Ren Yuta] (ページ13)

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「A、びっくりした？」

「びっくりしましたよ！

だって真奈美さんと仲良いと思ってましたし」

「でも俺も本当に廉と付き合うとは思ってへんかった」

廉と付き合ってるのかって

聞いてきたのは、紫耀さんの方なのに

ずるい人ですね、って言うことができたら

私もあの頃は、あそこまで辛くなかったんだろうな、なんて

街灯に照らされる影を踏みながら歩いた

「あ、そうやA、この後空いとる？」

「さすがにこの時間からは何もないですけど……

どうしたんですか？」

「飲んだ後1人って寂しいやん、

今日うち親いないからよかったらちょっと寄って行かへん？」

「じゃあ、ちょっとだけ寄って行きます」

もう、忘れたはずなのに

廉と付き合ってるはず、なのに

少し心が踊っている自分がいた

「私、紫耀さんのお家どこにあるのか正直分かってないです」

「高校の時も、後輩呼んだことはないからなあ

てか、Aもいつの間にか自然に紫耀さん、って言えるようになったなあ」

目を細めて笑う紫耀さんが、1つ先の角を指差した

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