救国の聖女の鬼退治

骨折 ページ20

バシッ
｢ギャアッ｣
鴉の悲鳴が聞こえた。
｢どうでもいいんだよ、鴉なんて！｣
白い少女を殴り、髪を掴んだ。
｢刀だよ刀！！今すぐ刀をよこせ！！鬼殺隊の刀！！色変わりの刀！！｣
ガシ、と怒鳴りつけている少年の腕を掴んだ。
｢おやめなさい。その子から離さないと折りますよ｣
Aはギリギリと腕を掴んでいる。
｢ああ？なんだてめぇは！やってみろよ！！｣
｢わかりました｣
ミシッ！！
｢ぐっ…！！｣
呼吸を使わず、折った。
それを見て金髪の少年は怯え、少女の方はどこ吹く風だった。
もう手は出さないだろうと感じたAは、白い少女の乱れた髪を手ぐし出直し、唇を噛んでしまったのか血が少し垂れていたので、手拭いで吹いた。
｢汚くてごめんなさい…｣
｢…ありがとうございます｣
小さく、白い少女はお礼を言う。
表情はひとつ変わっていない。
｢お話は済みましたか？ではあちらから、刀を造る鋼を選んでくださいませ｣
様々な大きさのある、鋼があった。
｢鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼は、ご自身で選ぶのです｣
｢多分すぐ死にますよ俺は｣
また卑屈なことを言った。









｢あの…これ、本当に合ってますか｣
Aは困っていた。
制服の採寸が、あっていないのだ。主に、胸囲が。
あと、スカートが短い。
｢はい｣
｢……これはその…他の女性の隊員もそうなのですか…？｣
｢はい｣
｢…あの子、普通ですよね？洋袴、私よりも長めですよね…？｣
泣きたい。
正直この服装は破廉恥すぎる。
…ゲス眼鏡こと前田まさおとの攻防が始まった。

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