救国の聖女の鬼退治

最後の試練 ページ12

｢もう教えることは無い｣
｢え｣
一年後、突然言われた。
｢あとはお前次第だ。お前が儂が教えたことを昇華出来るかどうか｣
歩くと目の前には、大きくて丸い岩がある。
｢この岩を斬れたら最終選別に行くことを許可する｣
｢…はい…？｣
岩とは、斬るものだっけ…？
Aは思考をフリーズしたが、炭治郎だってこの岩を斬ったのだ、と思った。
そのまま、鱗滝は立ち去った。
｢…アレになれば…斬るどころか砕くのは簡単だけど…｣
サーヴァントになれば、この岩など簡単に砕ける。
｢いや、もうこの際だから鍛えよう…｣
Aは特訓を重ねた。
半年後、斬れない。
足りない、足りない、足りない。
｢…呼吸法、モノになってない…？｣
これが確実だろう。
挫ける前に、Aは無言で頭突きをした。
岩に頭突きをしても、全く痛くない。
｢おい｣
聞きなれない声がした。
上を向くと、狐のお面を被った少年がこちらを見ていた。
｢さっきから何をやっているんだ｣
少年の声は、呆れていた。
…男なら、と言うはずだが、生憎Aは女である。
女として格好がみずぼらしいが、仕方の無いことである。
｢…どなたですか？｣
｢……｣
ふわ、と岩から飛び降りるとAに斬りかかってきた。
それを受け止める。
｢っ！！｣
だが腹を蹴られ、後ろによろめいた。

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