孤独を時間で埋めていく ページ6
『はー、フィシー大丈夫か?』
情報収集をしようと会った人にはフレンドリーに接しようとは決めていたが勢いで近くの洞穴まで逃げて来てしまった。
あそこできちんと話をしていればよかったものの、自分を殴りたくなる。
「どこかの誰かさんがぐりぐりと体に肘を押し付けてきた時よりはましだな」
『随分皮肉な言い方をするな貴様は…まぁ確かにあれはすまなかった、反省している…。』
それを言えば本当か?とこちらを睨みながらいってくる相手にほんとうだ、と返せば納得した相手を横目にこれからどうするか考え始める。
やはりあの人たちに話しを聞いた方がいいに決まっている、そう決まれば早速出発…と行きたいところだが逃げてきた方向さえもわからない。
『とりあえずフィシー、これからどうするか? さっきの奴らに話を聞こうと思うのだが……』
そうフィシーの方に顔を向けて言えばげぇ、と明らかな顔で一声漏らす。
全く、こういう頑固なところがあるのが難点だな。
「まじで言ってんのか姫さん…あいつら死ねとか言ってきたじゃねぇか…」
『恐らく向こうも驚いたのだろう…とにかく、ほら、まずはこの汚い洞穴から出るぞ』
へぇへぇ、とやる気のなさそうな返事を耳に入れればそのまま洞穴から出ては辺りを見回した。
__まるで緑の海、とでもいったところか。青々と茂った草は日光の光を反射しては幻想的に魅せてくる。
遠くからは小鳥の鳴き声も聞こえる、そういえば逃げてくる途中に小動物もいた気がした。
まさに神秘的で美しい場所だ、さっきの女性は私の森…と言っていたがこんな場所で暮らせたらまた素敵なのだろう。
「…おい姫さん、ぼーっとしてるけど大丈夫か」
後から出てきたフィシーに声をかけられればはっ、と声を漏らす。
少し驚いたのか身体が跳ねたような気がした。
『あ、あぁ…大丈夫だ。そうだな…………ここで待ってれば相手が勝手に…来るか?』
「…まー、まぁそういうのもいいんじゃないか。しばらく待ってこなけりゃまた別の場所を当たろうぜ」
フィシーのその言葉にこくりと頷けば、槍を持ちだして近くの木にもたれかかった。
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作者名:よぬば&もずく。 x他2人 | 作成日時:2017年11月14日 0時