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杉大方様が、京都にいた興元様へ使いを出してマツの元服について相談して下さった。
兄上の許可を貰ってマツは無事元服した。


__多治比元就、と。


その名を名乗って分家を立てた後、『多治比殿』と呼ばれる様になっていった。


時は進み、永正13年。興元様が急死された。死因は酒毒だったそうで。
酒により、父、兄を失ったマツは、
酒の場に出ても、自分は下戸だと言い張って一切口を付けなかった。


ある日、マツは再び毛利家に呼び戻された。
なんでも、元興様の嫡男。幸松丸様が跡継ぎになられたのだが、あまりにも幼く、
マツは叔父として幸松丸様を後見しなければならないと言う。


弘元様、興元様と2代続く当主の急死に、幼い主君を残された家中は動揺した。
毛利家中の動揺をついて、佐東銀山城主・武田元繁が吉川領の有田城へ侵攻しにかかった。


武田軍の進撃に対し、元就は幸松丸様の代理として、有田城救援のため出陣しなければならない。


いざ戦場に来てみると、もう既に、門 付近は死体が転がり散らかっていた。
久しぶりの血腥い匂いに、一瞬顔を歪ませる。


「良いんだな。本当に」


馬を下りて、刀を持つマツに話しかける。


「何度も言わせるな。我はもう子供ではない。
  我が毛利の軍。我が守り抜く!」


そう言い残すと、真っ直ぐに走り込んで言った。


「やれやれ。コレだから俺の主は.....」


はぁ。と項垂れ溜め息を付いた後、一緒に連れて来た援護部隊に指示を出す。


「笛を吹けぇ!援護部隊到着を知らせろ!!」


叫ぶと同時に、背後で法螺貝の音がする。


突入の合図を出すと、「おおぉ!!」と男達の雄々しい声が響き、馬に乗った兵士達が入って行く。


「さぁて。俺も頑張りますかなっと。」


松明で薄く照らされた戦場に、俺もまた どろり と入り込んだ。

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句読点 - あざまっす!が、頑張ります!!w (2016年12月26日 16時) (レス) id: 5463a90292 (このIDを非表示/違反報告)
^ ^ - おもしろいと思います。更新お待ちしています。 (2016年12月25日 23時) (レス) id: 40794b7b49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:句読点 | 作成日時:2016年8月13日 20時

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