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「(さて、俺は........)」


元就達が完全に見えなくなった所で、倒れたままの兵士へ向き直る。


「どーすんだコレ。痛いんだけど?」


まだ止血できていない腕を見ながら兵士に話しかけた。
傍に近寄り、本当にもう辺りに誰もいないかを確認する。
その時だった。
兵士は胸元から小刀を取り出し、俺の足に突き刺した。


「_____当たると思った?残念。」


ふっ、と足を左へずらし、軽く避けた後その腕を踏みつける。


「ふう、危ない危ない。」


ぐり、と少し強めに踏んでやれば、悲痛な呻き声が上がる。


ふいに、引きつった兵士の口角が上がった。


「?」


不審に思い、眉をひそめて男の顔を覗き込む。


「!?」


その男から飛び退いた時には、もう遅かった。
俺とした事が、迂闊だった。


しゃがみ込んだ瞬間左腕を強く引かれ、傷口に何らかの液体をかけられた。
その液体に色は無く、ただ、かなりの熱を帯びている。


「(なんだ...?毒、か?)」


兵士は満足げに笑んでいる。


「(粗方の毒についての耐性はついてる.....大丈夫だ。焦るな。)
  こう見えても俺、忍びなんだわ。大方の毒は効かねぇぜ。」


兵士はなけなしの力で微かな言葉を発した。


「....ばか、め。....『貴様』の..体質など...とうに知っておるわ....」


ははははは、と乾いた笑い声だけを残し、兵士は絶命した。


俺の体質......
否、気にしなくて良いだろう。
最悪俺の場合、腕の部分だけを作り替えれば良い。
念のため、矢の刺さった左腕を液状化させた。


しかし____


「んだよ....これ........」


液体をかけられた部分が、どろどろと溶け始めていた。
これは、俺が自ら液状化させてるんじゃない。これは、俺の『水』じゃない。
俺の____皮膚だ。


これ以上広がらないようにと、傷の周りから液状化させているのに。
寧ろ浸食は酷くなっていく。


「(なぜ...?何故 俺の水が、水銀が形を保たない....)」


ん、...?


俺の体質。
水銀。
あの熱帯びた液体。


「(あぁ、そういう...)」


あの液体はきっと、『ノウリュウサン』だろう。
水銀と共に熱すると、水銀を溶かす。と、いつかに書物で読んだ気がする。


「(めんどくせぇ...)」


俺は自らの腕を斬り落とした。

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句読点 - あざまっす!が、頑張ります!!w (2016年12月26日 16時) (レス) id: 5463a90292 (このIDを非表示/違反報告)
^ ^ - おもしろいと思います。更新お待ちしています。 (2016年12月25日 23時) (レス) id: 40794b7b49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:句読点 | 作成日時:2016年8月13日 20時

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