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「______っは、」
辺りを一掃し終わったところで目を開き、息を吐く。
すると、虎宵も 元就を守る水の壁も どろり、と溶けて土の中へ消えてしまった。
はぁ、ともう一度強く息を吐き、その場に座り込むと、俺の名前を呼びながら元就が寄ってきた。
「今のは何だ。あの壁も獣もお前の術か。」
輪刀を片手に持ちなおしながら、元就は水が吸い込まれていった地面を見つめていた。
「驚きました?(笑)こないだ造ったばっかりでね。
壁は良いんですけど、虎宵...あのデカい虎の方が、ね。結構力使うんですよ。」
アハハー、と薄く苦笑いを浮かべると、元就は自分から聞いてきたクセに 興味無さげに視線をそらした。
よいしょ、と立ち上がり、手についた土をはらう。
「さ、て。帰りましょうか。」
再び元就に笑みを向けると、また視線をそらされたが、「うむ」と小さく返事をしてくれた。
「......A、」
元就が、不意に口を開いた。
「んー?」
俺に何かを言おうとしたのか、こちらを振り返った元就。
しかし、俺の後ろを見るや否や 体を強張らせた。
俺も、ぴくり、と背後に何かを感じ、神経を尖らせた。
「(動いたのは一人...か。どうせ立ち上がりはできないだろう。)」
「やめておけ。こっちは二人だ。」
恐らく、弓を引いていたであろう背後の兵士に声をかける。
しかし、兵士は聞く耳を持たずに引いた手を離した。間もなく矢が飛んでくるだろう。
「(はぁ........これが武士の意地ってヤツなのか?)」
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句読点 - あざまっす!が、頑張ります!!w (2016年12月26日 16時) (レス) id: 5463a90292 (このIDを非表示/違反報告)
^ ^ - おもしろいと思います。更新お待ちしています。 (2016年12月25日 23時) (レス) id: 40794b7b49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:句読点 | 作成日時:2016年8月13日 20時