29 ページ31
「元就様、起床なされませ。」
いつもの時間に起こされる。
毎朝、日輪を拝むために早く起きる習慣がついていた。
しかし、今日耳にしたのは、いつもの声ではない。
普段は、決まってAが朝を知らせにくる筈なのに。
聞き慣れない女中の声。
「...........Aはどうした。」
障子に写る影は肩を揺らした。
「A様ならば、昨夜お仕事へ出られてからお戻りになっておりませぬ。」
女中は平然とした声でそう告げた。
「仕事....?我は何も命じてはおらぬ。
何故彼奴は勝手に....」
「はて。私には解りかねまする。
なれど、何やら険しい表情をされておりました.......」
さて、と話を変えるように女中が手を叩く。
「元就様も、早くお召し替え下さいませ。」
失礼します、と一度頭を下げてから、女中は持ち場へ戻っていった。
我は靄を抱えたまま、奇麗に整えられた着替えに手を伸ばした。
29人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
句読点 - あざまっす!が、頑張ります!!w (2016年12月26日 16時) (レス) id: 5463a90292 (このIDを非表示/違反報告)
^ ^ - おもしろいと思います。更新お待ちしています。 (2016年12月25日 23時) (レス) id: 40794b7b49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:句読点 | 作成日時:2016年8月13日 20時