検索窓
今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:30,019 hit

28 ページ30

中庭に出て、Aに背中を摩られながら吐いた。
今日はたまたま朝餉をとらなかった為、出てくるの物は胃液ばかりで辛かった。


「もう良い。」


少し楽になり、壁から離れる。


ふと視線を移すと、ぼろぼろになった障子が見えた。
それにはべっとりと血が付いていて、表面が乾き、黒ずんでいた。


「っ...........」


中からは、四肢を切断された胴体が血を垂らして顔をのぞかせている。
あまりの気持ち悪さに 顔を顰めると、
「見るな」とAに視界を遮られた。


突然、廊下を走る沢山の足音がして身体を強張らせると、
Aが そっ、と身体を離した。
中庭沿いに設けられた縁側の襖が、バタン と倒される。


「元就が居たぞ!」

「忍も一緒だ!殺せ!」

「こっちだ!!」


指示を飛ばす声が響いた。
瞬く間に、戦闘が始まった。
Aは、めんどくさげに後頭部を掻いて、
こちらに鞘ごと小刀を投げた。
突然の事だったので、掴もうと手を伸ばしたが落としてしまった。


Aは、振り返りもせず、次々と兵士達を仕留めていった。
あれだけの大人数を相手に、Aは、ただの一人として我の方へはやらなかった。
近付こうとする者は、全てAの苦無や小刀に貫かれた。


1人の男が、辛うじてAの攻撃を避け、こちらへ走ってくる。
我も、渡された小刀に手をかけ 構えた。が、
男は、傷だらけの両手で刀を振り上げた体勢で固まった。


振り上げられた刀から視線を落とし、その男の腹部を見る。
そこには、爪にぎっちりと血の詰まった青白い腕が通っていた。
男の身体が、ヒクヒクと動く。
腕が ずるり、と引き抜かれた。
男は、「あ、がっ.....」と微かな声を漏らし、倒れ込む。


どうやら、この男が最後だったようで。
辺り一面に広がった死体の中で、からり と苦無を放り投げ、
手首をコキコキと鳴らすAが見えた。


「いやぁ、流石に疲れたわー。」


胸元まで伸びた長い髪をグイッと搔きあげるA。
荒い呼吸を何度か繰り返し、ふらふらと近付いてくる。





「今はまだ解らなくても良い。無理に理解しなくていい。
  心配しなくても次期に解る時が来るだろう。
  俺は主(アンタ)について行く。それだけだ。」

29→←27



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
設定タグ:戦国BASARA , 毛利元就 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

句読点 - あざまっす!が、頑張ります!!w (2016年12月26日 16時) (レス) id: 5463a90292 (このIDを非表示/違反報告)
^ ^ - おもしろいと思います。更新お待ちしています。 (2016年12月25日 23時) (レス) id: 40794b7b49 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:句読点 | 作成日時:2016年8月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。