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俺は、幼い頃 初めて自分の力の存在を知った。
始めはとても怖かった。
同じくらいの歳の子も、皆俺から離れて行く。
その子の親も、俺に子供を近づけさせない。


俺を バケモノ だと罵って。
毎日毎日、何も知らない奴に暴力を振るわれた。


友達なんて居なかった。
友達のつくりかたなんて知らなかった。


母さんは、柔らかい笑みを浮かべて俺の頭を撫でた。
強い力を持った強い子だ。
お前はいつか父さんの様になるんだ、と。


俺は、こんな力、いらないよ。
俺じゃあ父さんみたいに、母さんを守れない。


俺の父さんは、俺がずっとずっと小さい頃、母さんと俺を守って死んだ。
覚えてるのは、泣き叫ぶ母さんの酷い顔と、
悲しそうな表情で、俺の頬を優しく撫でた父さんの顔。


俺たちに向かって微笑んだ父さんの口からは、血が垂れていた。
父さんの後ろには、焼かれて、今にも崩れそうな自分の家。
にも関わらず、俺達にまだ武器を振り翳そうとする人々。


いやだ、いやだ。と叫び続ける母さんに、少し困った様な笑みを向ける父さん。
大丈夫だ、と宥めるように母さんの両肩を押さえた後、
再度俺の頭をわしゃわしゃと撫でた父さんの手は大きかった。


元気でな。と父さんは笑う。
あの頃の俺には、それが何を意味するのか分からなかった。


父さんは、俺たちに背を向け、複雑に指を組んだ。
何かを唱えながら、何度も指を組んでは解きを繰り替えす。


「柊の名において命ずる。出でよ!___!!」


父さんを中心に、強い風が吹いた。
辺りが半透明の水縹色に包まれる。
瞬きをした、次の瞬間。
目の前に現れたのは、それは大きな獣だった。
表面は、青く燃える炎のように揺らめいている。


涙でぐしゃぐしゃになった母さんは、次第に声が枯れてゆき、
掠れる声で、「あ...あぁ、ぁぁ.....」と呻き、目からは大粒の涙を流していた。


父さんは、ゆっくりとこちらを向いた。
母さんを、心配そうな目で見つめる。
しかし、その表情は悲しそうな、どこか安堵したような、例えがたい表情だった。


父さんの声を聞いたのも、
父さんの姿を見たのも、
それが最後だった。

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句読点 - あざまっす!が、頑張ります!!w (2016年12月26日 16時) (レス) id: 5463a90292 (このIDを非表示/違反報告)
^ ^ - おもしろいと思います。更新お待ちしています。 (2016年12月25日 23時) (レス) id: 40794b7b49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:句読点 | 作成日時:2016年8月13日 20時

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