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一時、階段をゆっくりと下りて、庭へ出る。
屋敷の壁に手をついて、嘔吐するマツの背中をあやす様に摩った。


ある程度 楽になったのか、「もう良い」と壁から離れた。
顔を歪めたマツの視線の先には、先程の男達の死骸があった。
見るな。と目元を片手で覆い、背けさせる。
まだまだ無知なマツには、あの醜い肉塊は見せるべきではないだろう。


「(あの戦場に立ってた奴だとは思い難いねぇ.....)」


あんなに活き々と指揮をとってた面影なんてありゃしない。
まるで別人、幼い子供の様だ。
マツの中には、何か心情を切り替えるモノでもあるのだろうか。


馬鹿みたいな事を考えていたら、どこからか かなりの足音が聞こえて来た。
壁の無い 開放的な廊下に面した部屋の襖が、バタン と外れた。


「元就が居たぞ!」「忍も一緒だ!殺せ!」「こっちだ!!」


バラバラに言葉を発する兵士達。


「アレまぁ。こんなに元綱様派がたーくさん。
  もしかしてその他全滅した?(半笑」


ニタニタとイヤラシ気に笑う兵士達。


「..............あーあ。嫌な予感程よく当たるってね。
  腑甲斐無いなぁウチの軍は。力しか脳が無いんだから。」


肩を竦め、頭を左右に軽く振る。
すると、案の定。兵士達は頭に血を上らせ、俺を目がけて一気に突っ込んできた。


「何人死んでも文句は無しだぜ!そっちから吹っ掛けられた事だからなァ!!」

「マツ、これ持っとけ!」


マツに向かって鞘ごと小刀を投げる。
慌てて受け取ろうとして失敗したのか、かしゃーん。と落とした音がしたが...気ニシナイ。


「離れてろよ?喧嘩じゃねぇんだ。怪我するぜっ!」


そう言いながら、突進してくる兵士達の塊に 自ら飛び込む。
そして、両の手に持てるだけの飛苦無を持った。


攻撃が運悪く致命傷となった兵士が、次々と倒れて行く。
もう一面死体だらけだった。


「次期当主は......我らが主、元綱様。よ...」


息絶える直前に、そう呟いた兵士が居た。
俺はソイツの頭蓋を踏みつけ、ぐしゃり と潰した。


「毛利の長は......マツ以外ありえねぇんだよ!!」


他の兵士達同様。俺も獣が咆哮するように叫んだ。
そして、雄叫びをあげる男達の群れに俺は一人飛び込んで行った。

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句読点 - あざまっす!が、頑張ります!!w (2016年12月26日 16時) (レス) id: 5463a90292 (このIDを非表示/違反報告)
^ ^ - おもしろいと思います。更新お待ちしています。 (2016年12月25日 23時) (レス) id: 40794b7b49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:句読点 | 作成日時:2016年8月13日 20時

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