イヤーマフの中で２ (ページ2)

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分かっているページ2

阿部side

『え、フラれた？』

唐突に言っためめの言葉に体が固まったのがわかる。

『え、フラれたってどういうこと、』

「だーかーら、フラれたの笑」

大事な話があるから家に行く、と言われてから30分。
5分前に来ためめから言われてこれ。

『俺てっきり付き合った報告かと、笑』

「付き合っても私が辛くなるだけだ、って、言われた。」

『辛くなるだけ、？』

「やっぱり、耳のこと。気にしてるみたいだよ。」

「電話もできないし、声も聞けない、って。」

『そりゃあそうだよね。耳聞こえないの気にするもん、俺もAさんだったら。』

「…気持ち伝えないの？」

『気持ちね、笑』

『伝えない伝えない。俺が言える立場じゃないじゃん。』

ああやって、自分で迷惑かけて手放しておいて、こっちからまた引き戻そうとするなんてさ、卑怯すぎるよ、流石に。

『しかもめめがフラれたんなら俺もフラれるよ。』

「本当にそれでいいの？」

『いい。絶対。』

「後悔するよ、」

『大丈夫。』

　

「そっか、ならいいけど。笑」

内心は、早くこの気持ちを出してしまいたくてしょうがなかった。

フラれる、って分かっていても、当たって砕けた方がいいのはもう分かってるから。

でも、それが彼女をもっと困らせて、迷惑かけるんだって。

それももうさ、

分かってるよ。