無表情85 ページ13
鷲『見てれば分かるわ、そんくれぇ。』
少し考えてから口を開いた。
「人の心は、目に見えません。」
口では褒められていても本心からそうとは限らない。もちろんその逆も。
鷲『まぁ人がどう思うかなんて、こっちの想像で補うしか無ぇからなぁ。』
「はい。」
鷲『でもアイツらなら大丈夫だろ。そんなに身構えんな。
俺の教え子達だからな!』
「…」
鷲『それに他の奴らが何と言おうと、俺はもうお前の事を信用してんだ。自信持て。
自分を卑下し過ぎるのは、お前に関わっている奴らに対しても失礼だからな。』
「分か、り、ました。」
鷲『少なくともお前が普段関わってる奴らの中に嫌なヤツは居ねぇよ。安心しろ。』
「はい。」
心のつっかえが少し無くなった気がする。と、鷲匠監督がチラリと扉の方を見た。
「…?」
つられて私も目をやると、四角くはめ込まれている磨りガラスに人影が写っている。
鷲匠監督が立ち上がってドアに向かった。
「あ、の、鷲匠監督。」
鷲『…何だ。』
「ありがとうございました。」
鷲『フン…』
ドアを開けると、聞き耳をたてていたのか人が密集していた。
鷲『なーんかゴソゴソとやってると思ったらこンのデゴすけ共…
さっさとA連れて帰れぇ!』
大きな声で全員が返事をした。部活のクセが抜けないのかな…
鷲『A、さっき言った事忘れんなよ。』
「はい。」
鷲匠監督が出て行くとベッドの周りに人が密集した。
天『こっわ〜…何の話してたの?』
瀬『怒られた?怒られたのか!』
「いえ、怒られたというか…良い話を聞きました。」
山『どんな話だ?』
「………秘密、です。」
人差し指を立てて口にあて、シーっとジェスチャーをする。
ジェスチャーをした方が相手に伝わり易いから。
川『それより、体調はどうなの?』
「まだ少し痛いけど大分楽になった。
あ、お待たせしてすみません。時間…」
牛『大丈夫だ。それより藍原。』
「はい…」
牛『体調が悪いなら早く言え。
天童が居なかったらどうするんだ。』
「すみませんでした。
ご迷惑お掛けしました。」
大『まぁ、さっき監督にも同じ事言われたんじゃないのか?
とりあえず校舎から出ようか。』
「あ、荷物…」
天『ココにあるヨー。』
「すみません。ありがとうございます。」
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毒どくきのこ(プロフ) - ナノさん» あ、ありがとうございます!楽しんで頂けている様で何よりです(*^^*) (2017年3月31日 2時) (レス) id: 96ce83ee79 (このIDを非表示/違反報告)
ナノ - 更新頑張って下さい!いつも楽しんで読ませていただいてます!!本当に更新頑張って下さい (2017年3月29日 15時) (レス) id: 19aa5f5522 (このIDを非表示/違反報告)
毒どくきのこ(プロフ) - せな。さん» せな。さん!!!私もせな。さんの作品大っ好きで!!!まさか私の作品を読んで頂いてるとは…感激です!もうホントに嬉しいです!更新頑張ります!! (2017年2月7日 16時) (レス) id: 96ce83ee79 (このIDを非表示/違反報告)
せな。(プロフ) - 初コメント失礼します!!!(*´ `*)天童さんファンとしてこの作品がほんっとうにすきですきで( 笑 )コメントする勇気がなく今まで陰ながら応援させていただいてました!!!更新頑張ってください´`* (2017年2月6日 22時) (レス) id: 229b3f3c5e (このIDを非表示/違反報告)
毒どくきのこ(プロフ) - 夜桜聖麗奈さん» ありがとうございます!読んで頂いて、しかもコメントまで…本当に嬉しいです!作者は受験生なので更新は遅めですが、出来るだけ早めに頑張ろうと思います。偏頭痛、辛いですよね…何度か学校休みました(泣) (2017年2月6日 19時) (レス) id: 96ce83ee79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:毒どくきのこ | 作成日時:2017年1月24日 21時