川魚の王子様 2【桃色】

feat.76 ページ28

学校です。


春休み前まではただのクラスメイトだった奴が、新学期入ったらYoutuberになっていたことに、皆驚いてます。


「まあ、学校は学校だからね。あんまりAを困らせないでよ？」


中学の時から仲良くしてくれてる子が、そう言ってくれた。


「ありがとう」


「私が言いたかっただけだから。まあ、頑張ってね」


今まで通り接してくれることが嬉しい。


「でもこれから、寄り道もできなくなるね」


「なんで？」


驚いた顔で、私を見つめる。


「馬鹿なの？


だって、撮影で忙しくなるじゃん…」


「えっ、可愛い…」


やばい、心の声が…。


「可愛くないし。ばーか」


こういうとこ、めっちゃ好き。


そんなこと言うと、いよいよ叩かれそうだからやめとくけど。


「今度、アイスでも食べに行かない？」


「私はいつでも大丈夫」


私の予定に合わせてくれるみたい。


「あー、楽しみ」


やっぱこういうのは、女の子と行かないとね！


スケジュール確認しとかないと。


あーでも、これからドラマ撮影も始まるしな…。


そらがわざわざ時間合わせてくれるんだから、断るなんてできない。


「無理しなくてもいいよ？」


「絶対行くから」


自分が行きたいだけなんだけどね。

feat.77→←feat.75

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す