川魚の王子様 2【桃色】

feat.75 ページ27

「モトキ…くん？」


離れないって…どういう意味？


「A…？」


瞬きをしながら、モトキくんは言った。


「あっ、えっと…おはよ」


「おはよー。もしかして、起こしに来てくれた？」


いや、寝顔見るためです。


「んー、まあそんな感じ？」


「ありがとう」


寝言のことなんて知らないのだろう。


「俺、着替えるから。Aも早く着替えておいで」


「うん」


部屋を出る前に、振り返る。


服を取り出すモトキくんは、いつもと変わらないように見える。


自分の部屋へ戻ると、お兄ちゃんが1人


「おかえりー」


着替えていた。


「私も着替えよっと」


特に気にもせず、服を脱ごうとすると、


「いやいやいや、ちょっとは気にしよう？」


「だってお兄ちゃんだし」


何を言い出すのかと思えば…。


「そういう問題じゃないだろ？」


「えっ、駄目？」


いや、兄弟なんだから良くない？


「はぁ…もういいや。どうぞ」


そう言ってお兄ちゃんは、私に背を向ける。


別に気にしなくてもいいのに。


高速で着替え、帰り支度をする。


「入っていい？」


ドアを叩く音と、ダホちゃんの声。


「ダホ遅すぎな」


お兄ちゃんがドアを開ける。


「こいつまじで起きねー」


と言うマサイくん。


「お疲れ様でーす」


「携帯破壊されそうになった…」

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