川魚の王子様 2【桃色】

feat.62 ページ14

「ただいま」


「おかえりー」


あの後、お祓いに行って、モトキくんに送ってもらった。


「どうだった？」


「何が？」


主語がないよ、主語が。


「デートに決まってんだろ」


「えっ、まあ…普通？」


そう答えると、頭を軽く叩かれた。


「いたっ」


「普通ってなんだよ。進展なかったの？」


そんなこと言われてもねぇ…。


「やっぱりモトキくんが好きだなって」


「特に進展はなかったと」


頷くと、


「そっか…」


お兄ちゃんが何故か残念そうに言う。


「あっ、明後日アスレチック行くから」


突然そんなことを言いだした。


「えっ、聞いてない」


「だって言ってないもん」


なんでもっと早く言っといてくれないのかね。


何回言ったっけ？


「準備しとけよ」


「はいはい」


部屋に入り、


「on!!」


ベッドへダイブ。


今日のことを考える。


さっき別れたばっかなのに、もう会いたくなってる。


こんな時は動画を見よう。


スマホを取り出し、YouTubeを開く。


アスレチックにしよっと。


画面の向こう側で、楽しそうに笑ってるモトキくん。


明後日は、この笑顔が生で見れるのかな


そんなことを考えると、自然と笑顔になる。


とは美化されたもので、ほんとはかなりにやけているんだけど。


楽しみだな。

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