14モチ ページ15
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土曜日。
今日は彼とのデート(もちろん私が勝手にいってるんだけど)だ。
初夏の暑さにあわせて、思わずスカートと半袖を着てしまった。
カタクリさんの洋服はもちろん私が買ってきたものだ。
といっても、半袖にジーパンというラフなものなんだけど。
なぜか彼は着こなしていた。
「なんの菓子を食べるんだ?」
ズボンのポケットに手をいれながら、こちらを見下ろすカタクリさん。
私はスマホをだして、目的地までのマップを見せる。
「この赤いピンがさしてあるところに、スイーツ食べ放題のお店があるんです。」
彼は少し目を細めると、グイッと顔を近づけてスマホを見た。
ち、ちかい。
彼の顔が一気に近くなったせいで、思わずスマホを引っ込めてしまう。
すると彼は不満そうに眉をよせた。
「見えなかった。」
「はは…すみません。」
カタクリさんは眉間にしわを寄せたまま、早く行こうというふうに顎で前をさす。
ちょうど信号が青になった。
「いきましょうか。」
彼の仏頂面も気にならない。
だって今日は、すごく楽しい。
・
私は大事なことを見落としていた。
1つはこのお店がすごく人気なこと。
もう1つは、
「お兄さん、筋肉すごいですね!」
「私たちと一緒に食べませんかー?」
彼はイケメンだということだ。
キャッキャッウフフした女の子たちがカタクリさんの周りを囲んでいる。
なんだか、彼は人に囲まれてばっかりな気がするぞ。
実は私たちが向かっていたお店はすごく人気で、行列がつくほどだった。
だから、数分前から並んでいた。
そして今、私がトイレにいっていた間に、カタクリさんは逆ナンを受けている。
もちろん彼がナンパされて、のるような男には見えないんだけど。
それでもなんだか心配だ。
胸がチクリと痛む。
カタクリさんは困ったように目を瞑って、ため息をついている。
そろそろ助けようと思って声をかけようとしたとき、先にカタクリさんの声が響いた。
「俺は女に興味はない。目障りだ。」
ギロリと効果音がつきそうなほど目をとがらせて睨むカタクリさん。
女の子たちはヒッと小さく悲鳴をあげてそそくさと列に戻っていった。
女に興味はない。
彼の言葉がひどく頭の中で回る。
あんなきれいな人達が相手にされないなら、私なんてもっと無理だろうな。
って、あれ。
なんで私、こんなこと考えてるんだろう。
ブンブンと頭を振って考えていたことを振り払い、カタクリさんの方に走り寄った。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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なのこ(プロフ) - yuka390822さん» 感激していただけるなんて、光栄です!コメントありがとうございます! (2018年6月12日 21時) (レス) id: 5816d88e2f (このIDを非表示/違反報告)
yuka390822(プロフ) - 感激号(┳◇┳)泣 (2018年6月12日 16時) (レス) id: 967b96f7da (このIDを非表示/違反報告)
なのこ(プロフ) - 露木さん» コメントありがとうございます!そんなふうに言っていただけるととても嬉しいです!これからも暖かい話を書けるようにがんばります! (2018年6月12日 7時) (レス) id: b4745be509 (このIDを非表示/違反報告)
露木(プロフ) - カタクリさんの逆トリだー!やったー!とはしゃいでしまいました…!思わずにこにこしてしまうような温かいお話で、続きがとっても楽しみです! (2018年6月11日 21時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
なのこ(プロフ) - あすこここさん» 初コメにとても感動しています!ありがとうございます!カタクリ様には少しトリップの副作用ということで縮んでしまったということにしてしまいました笑 (2018年6月10日 22時) (レス) id: b4745be509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なのこ | 作成日時:2018年6月8日 21時