1モチ ページ2
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どんよりと濁った空。
じめじめした空気。
梅雨らしい天気に少しうんざりする。
もともと曇りは好きじゃない。
雨が降る前の低気圧のせいで私の頭はズキズキと痛むからだ。
痛みのせいで、思わず眉間にシワが寄ってしまう。
んん、と唸りながらこめかみを人差し指でグリグリと弱めに押した。
しかも今日はついていない。
天気予報は晴れだといっていたから傘なんて持ってこなかった。
会社の玄関の前で雨の様子をみる。
うん、土砂降りだ。
しょうがない、濡れて帰るか。
ずぶ濡れになる覚悟をして会社を出ようとしたその時、後ろからトントンと肩をたたかれた。
振り向くと、そこには警備員さん。
名前は確か、ナカムラさんだったかな。
ナカムラさんは申し訳なさそうな顔でこちらを見ている。どうやらなにかあったみたいだ。
「すみません。不審なものを見つけまして。ちょっと来ていただいてもいいですか？」
そう言いながら、ナカムラさんの手はしっかりわたしの服をつかんでいる。
わたしがいってどうにかなることなんだろうか。こういうのはセキュリティ会社か、上司に話すのが1番だと思うんだけども。
しかし、ナカムラさんの藁にもすがるような顔を見せられたら行かないわけには行かない。
よほど厄介な人でもいたのか。
私は渋々、了承することにした。
「わかりました。一応様子だけ。」
・
警備員室のドアからこっそり中の様子をのぞく。
なるほど。あれはたしかに厄介な部類だ。
そこには、この時期には合わなさそうなマフラーのようなものに、全くもってよくわからんトゲトゲした服装の男がいた。
しかも身長も大きめだ。2メートル弱あるんじゃないか？
顔も怖いしいかつい。
なにより警備員に捕まっているという状況にもかかわらず、腕と足を組んで椅子に座っているのがおかしい。
うん、わたしにはどうしようもない。
「すみませんナカムラさん。やはりここはセキュリティ会社に連ら」
「そこにいるのは誰だ。」
わたしの言葉は男にかき消された。
バレてしまってはしょうがないので、潔くドアを開ける。
こんなにも木製のドアが重いと感じたことはない。
とりあえず威圧のために椅子に座る男の前に堂々と立った。
「すみません。えっと、うちの会社に用でも？」
出来る限りの笑顔で対応する。
わたしの質問に男は顔をしかめていた。なにか考えているようだ。
しばらくの間の後、ゆっくりと低音が響く。
「ここは、どこだ。」
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なのこ(プロフ) - yuka390822さん» 感激していただけるなんて、光栄です！コメントありがとうございます！ (2018年6月12日 21時) (
レス) id: 5816d88e2f (このIDを非表示/違反報告)
yuka390822(プロフ) - 感激号(┳◇┳)泣 (2018年6月12日 16時) (レス) id: 967b96f7da (このIDを非表示/違反報告)
なのこ(プロフ) - 露木さん» コメントありがとうございます！そんなふうに言っていただけるととても嬉しいです！これからも暖かい話を書けるようにがんばります！ (2018年6月12日 7時) (レス) id: b4745be509 (このIDを非表示/違反報告)
露木(プロフ) - カタクリさんの逆トリだー！やったー！とはしゃいでしまいました…！思わずにこにこしてしまうような温かいお話で、続きがとっても楽しみです！ (2018年6月11日 21時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
なのこ(プロフ) - あすこここさん» 初コメにとても感動しています！ありがとうございます！カタクリ様には少しトリップの副作用ということで縮んでしまったということにしてしまいました笑 (2018年6月10日 22時) (レス) id: b4745be509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なのこ | 作成日時：2018年6月8日 21時
