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引き続きテーブルを片付けていると、後ろから声をかけられた。
『あのっ、岸さんっありがとうございました。すみません…仕事の邪魔しちゃって…ああいうときどう対応すればいいかわかんなくて…』
Aちゃんは申し訳なさそうに頭を下げた。
「ううん、全然!Aちゃんは悪くないよ。ああ言う場合はちょっと強めに言えば諦めてくれるからさ。それより腕…。」
Aちゃんの腕には薄っすらさっき掴まれたところに赤い跡がついていた。
『ああ、これくらい平気ですっ!岸さんいてくれて、助かりました!」
そういう彼女の瞳は少し潤んでいる。やっぱりああいうのは怖いよね…
俺はぎゅっと抱きしめたくなる気持ちを抑えて、彼女の赤くなった腕を持ち上げ、両手で包んだ。
「いたいのいたいのとんでけー!」
彼女は目を丸くして、その後くしゃっと笑った。
『ふふっ…子供じゃないんですから笑でも治ったような気がします!』
彼女の腕は当然まだ赤らんでいたが、表情は元気を取り戻し、またハツラツとしてお客さんの元へ向かった。
俺はというと、その笑顔にやられてしまったのは言うまでもないが、
さすがにさっきのは子供扱いしすぎだなと、反省していた。
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作者名:Mother | 作成日時:2019年11月25日 23時