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学校から帰っている途中、空は重たく、今にも雨が降りそうだった。
雨が降らないうちにと、私は家路を急いだ。
そして家に帰ってくると、
ちょうどポケットの携帯電話が鳴った。
相手は優太で、用件は“大事な話があるから来週の日曜日会えないか”ということだった。
私も言わなきゃいけないことがある。そう思って、返事をした。
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優太と会った日はほとんど雨だった。
それはきっと神様のただ気まぐれだと思うけれど、
もしかしたら優太か私が、雨を引き寄せてるのかもしれない。
だから神様…どうか来週の日曜日は晴れにしてください。
私はてるてる坊主を一つ作り、自分の部屋の窓に吊るした。
そして優太がやっていたように手を合わせ、祈った。
最後くらい、彼と快晴の下で過ごさせてください。
どんな結果になったとしても、晴れなら上を見上げることができるから。
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そうしてもう一度てるてる坊主を見ると、
にっこり笑っているのにどこか寂しそうに見えた。
私はもう一つ作り、それをその隣に吊るした。
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lemon09(プロフ) - 一気読みしちゃいました! 続きが楽しみです。 (2020年12月5日 2時) (レス) id: 2975f730a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mother | 作成日時:2020年5月26日 0時