＊届かなかった言葉 ページ3
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大通りに出て、信号を待つ。
目の前を横切る車。
そのうちの一つがあの車によく似ていて、
ほら、また思い出す。
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『優太…昨日はごめん…じゃあバイバイ？』
車の窓からAが微笑みながら手を振る。
けれどその笑顔はどこか寂しそうだった。
「ほら、優太！Aちゃんに最後のあいさつしなさい！」
「…じゃあ。」
その時の俺はなんだか恥ずかしくて
そんな返事しかできなかった。
彼女の顔を見ると、今にも泣きそうな顔をしていた。
俺はそんな彼女をに焦って、
何か言わなきゃと思った。
いや、言うことは決まっていたんだ。
だけどずるずると先延ばしにして、とうとうこの日が来てしまった。
「Aっ、おれっ「じゃあ出発するよー。じゃあ、優太くん今までありがとねー！」
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遅かった。
俺の声は、出発の合図にかき消され、
それからもう彼女の耳に届くことはなかった。
そのままAを乗せた車はどんどんと遠ざかっていった。
Aの姿はどんどんと小さくなっていって、
ついに見えなくなり、その後二度と彼女に会うことも、
そして言葉を交わすこともなくなった。
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あの時、俺がもっとちゃんと伝えていれば、
彼女に俺の言葉が届いていたなら、
俺たちはまた違う運命を辿っていったのかな。
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一体何を捧げれば、あの時に戻れることができるんだろう。
そんな後悔ばかりが残った。
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Mother(プロフ) - かれんさん» ありがとうございます！進行中の作品も完結まで、ぜひお付き合いいただけたら嬉しいです。 (2020年6月1日 22時) (
レス) id: 5a43b70246 (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 今作もとても面白かったです！ (2020年6月1日 1時) (レス) id: 840cdd8333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mother | 作成日時：2020年5月14日 16時
