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Aside
“明日の夕方5時っすね…!楽しみにしてます”
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帰る途中、彼の嬉しそうな表情が脳裏をよぎる。
久しぶりに会った岸くんは前よりもずっと大人びていて、
喋り方も落ち着いていて、男の子よりも、男性という感じがした。
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でもたまに見せる無邪気な笑顔が昔を思い出させる。
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『明日5時…か』
呟きながら自然と笑みがこぼれる。
自分にも嘘がつけないくらいワクワクしている。
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こんな気持ちになったのはいつぶりだろう。
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どんな服着てこうかな…
久しぶりにちゃんとメイクしてみようかな。
そんなことを考える。
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わかってる。
別に岸くんは私のことなんとも思ってないってこと。
私みたいな年上にチャンスなんてないのは。
それに「不倫」なんて言葉、私には縁もゆかりもない言葉。
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でも好きになるくらいは、許してくれるでしょ?
今は、もう止められないんだ。
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あの時枯れさせてしまったと思っていた
この想いは、
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まだ枯れてはいなかった。
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作者名:Mother | 作成日時:2020年4月3日 21時