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“加工された Glass Flower
二度と褪せないけど
生まれ変わる事を拒んで
時を止めてる”
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俺は必死に彼女の思いを忘れようとした。
でも最初のうちは簡単な事じゃなかった。
意識するほどに思いが強くなっていくのを感じた。
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店の扉が開くたび、彼女じゃないかと期待して、
あの花を見る度に、切ない気持ちになった。
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でも俺の期待はことごとく裏切られ、
あの花も他の色鮮やかな花に紛れていった。
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でも時間っていうのはすごいもので、
いつの間にか、大切にしていたはずの気持ちがなんなのかも
思い出せなくなっていた。
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そしていくつかの恋愛をした。
飲み会で一緒になった女の子や、
サークルや友達を通じて出会った子。
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最初はうまくいっているみたいだった。
見た目がタイプな女の子がいたり、
身体の相性が抜群の女の子もいた。
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でもどの恋もなんだかピンとこなくて、
結局、数ヶ月ですぐに終わってしまった。
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自分の心の奥に
何か大切にしているものがあるような気がしていた。
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俺はその正体が気になっていたけど、
でも、それを開けた瞬間、
また時間が動き出してしまうのを恐れて、
思い出さないように、触れないように、
もっとずっと奥にしまった。
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“ Bright 正しい終わり方を
誰も知らない”
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作者名:Mother | 作成日時:2020年4月3日 21時