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『お待たせっ…!…ってあれっ、空、遊んでもらってたの?』
俺と空くんが遊んでいるのを見て、
Aさんは少し驚いていた。
「きしっ!おてっ!」
「わんっ!!」
俺は数分の間に空くんの飼い犬になっていた。
自分でもなんでこんな流れになったのかはわかんないけど…。
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『ちょっ…空、岸くんのこと呼び捨てしちゃダメでしょ?』
「いや、いいんすよ、全然!」
『もう〜…ごめんね、岸くん…
じゃあ手当するからこっち来てくれる?』
「あっ、はいっ!じゃあ、空くん、ちょっと席外しますね」
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俺は(名前さんの指示通り、
ソファーの彼女の隣に座った。
『じゃあ、消毒するから痛かったら言ってね。』
彼女は俺の手を掴み、手のひらに消毒液をポタポタたらした。
触れられた瞬間、意識がそこに集中した。
けれどすぐに傷口に浸みた消毒液の痛さが勝った。
俺も大人だから、我慢して歯を食いしばっていると、
『…すごく痛そうな顔してるけど…大丈夫?』
不安そうな顔でAさんは俺の顔を覗き込んだ。
「だ、大丈夫っす…」
説得力のない返事をして、なんとか痛さに耐えることができた。
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作者名:Mother | 作成日時:2020年4月3日 21時