検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:47,279 hit

2喫茶店 ページ2

小さな木でできた、年季の入った扉。






.









その扉を開けるとカランカランとチャイムが鳴り








コーヒーのいい香りが漂う。









.









「いらっしゃいませ」







白ひげを生やした老人のマスターが笑顔でこちらを向いていた。









「好きなお席にどうぞ」






マスターはガラスコップを拭きながら言った。









.









『はい』


返事をして、二人席の壁側に座った。









.









周りを見ると、おばあちゃん二人が会話をしていたり、


おじいさんが本を読んでいたりした。









そして私の隣席のテーブルには、




私と反対の通路側の席に座った若い男性がコーヒーを飲んでいた。









.









若い子もいるんだ。



同じ大学の子かな?









彼はそのコーヒーの香りを嗅いで一口飲むと









.









「んー、やっぱ苦っ」

と小声でささやき









少し顔をゆがませた。









.







.









しかし、それでもテーブルの上の砂糖は使わずに飲み続けていた。









ブラックコーヒーなのかな?砂糖入れればいいのにな









.









私は注文を済ませ、コーヒーを待っていた。



店内を見ると、写真にあった通り、薄暗くて、でもオレンジの間接照明が綺麗だった。



今座っているソファーもなんだか懐かしくなるような昭和の雰囲気漂うものだった。









.









そうして、店内をぐるっと見ていると、隣の男の子の席に





チョコレートのパフェが運ばれてきていた。






男の子はコーヒーによって歪ませられた顔をパッと変え、






目を輝かせていた。









.









「よしっ、まってましたぁー!」




手を擦り合わせて、ニコニコしている。





その表情の変わり様に私は少しクスッと笑ってしまっていた。









.









それに気づいたのか、男の子はこっちをちらっと見て、真面目な顔に戻った。









.









私はとっさに視線をずらし、彼と目が合わない様にした。

3喫茶店→←1喫茶店



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (140 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
227人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Mother | 作成日時:2019年9月18日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。