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七草「そういえばさー、松村くんがいっつも一緒にいるメンバーかっこいいよねー!」

「あ、でもなんか1人女の子いるよね?誰かの彼女とか?……いやそれは無いかぁ〜、地味だし高校一緒だから構ってあげてる、みたいな!?」



だのなんだの永遠に話してる女。

自慢話と、人の悪口と。


俺、Aとはどんな話してたっけ


「でね、それを使った料理がとっても美味しくて……北斗くん、聞いてる?」


松村「うん。顔可愛くて見てた。」


「話、面白くなかった?」


松村「ううん、面白いし、楽しそうに話してるAを見るのが好き。」



……いつからか不安になって、Aに「俺が好き?」とかばっか聞いて。


ああ、彼女はどんな気持ちで俺といたんだろう。


好きって言わせるだけ言わせて、俺は全然伝えてない。


伝わってると思って、甘えてた。

七草「……なによそれ。私とご飯行ったって知ったら不安になって別れるかもしれないじゃん。」

松村「大丈夫。別れるとかありえないし、ていうか黙って。」



この女がとんでもない女だって知ってたら、俺は絶対に行かなかったのに。



と、後悔したって遅い。







「なんか見られてる……?」


ヒソヒソ、「あの子って────」なんて声が聞こえる。


森本「なんかAの悪口回ってるっぽい、俺ら全員三股かけてるとか」
京本「寝取った、とかね。」


「ふうん……そっか……」

森本「ふぅんて。」

「別に友達作ろうって思ってた訳でもないし、大丈夫だよ。バイトも楽しくしてるし」




そこから、つまらない嫌がらせが始まった。


通る時にぶつかられたり、ものをわざと落とされたり。




でもまあ、多分北斗くんとご飯に行った人が主犯だろう。
こっちを見てくすくす笑ってる。


森本「ん。これで全部?落ちたの。」


「うん、ありがとう。」


松村「……俺のせいで、ごめん。」


「どうして?北斗くんが嫌がらせしろって言ったんじゃないでしょ?」



実は、「ほっといてくれ」と言われた夜、私は彼に電話をかけた。



「……出てくれた!嬉しい。ごめんね、ほっといてって言われたのに」

松村「ううん、俺の方こそごめん」


「……ねえ、なんで他の子と2人でご飯、行ったの?」


松村「嫌だった?」


「……本当は、嫌だった。」

松村「そう、言って欲しくて。ごめん……。俺はいつもヤキモチ妬いてる、余裕ない。それなのにAは余裕そうで。」

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作者名:冬村 | 作成日時:2023年6月26日 15時

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