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京本「おはよう。いい天気だね」
「……おはよう。そうだね」
森本「あ、俺きょもの隣いい?でAと北斗座りなよ。」
京本くんは変わらない。私に変わらず話しかけてくれる。
1年次は私たちは全員必修が被ってるしそれぞれ何個か同じ授業になることがある。
京本「いや、慎太郎横じゃなくていいよ。Aの席取ってんだから」
松村「呼び捨て……京本、俺の彼女って知ってる?」
京本「だから何?」
「まあまあまあ……とりあえず座ろう?見られてるよ。」
慎太郎がどかっと京本くんの隣に座り北斗くんは私の手を引いて、一番端に座らせた。
松村「ったく、油断も隙もない。まあ、Aは俺が好きだから取られやしないけどさ。」
北斗くんは私に愛されていると実感してくれているらしい。
……というより、愛されていると、思っていたいのだろうか。
毎日のように「好きって言って」「愛してる?」と、聞いてくる。
もちろん求められれば愛は伝えたいと思うし、求められなくても想っているから伝えたい。
だけど、そう言っても北斗くんは……「嬉しい、ほんとに幸せ」と答えるだけで
「俺も好きだよ」と言った言葉をくれはしない。
そばにいられるだけで、満足……とは思うものの、
でももっと、伝えて欲しい。
正直、自信はあまりない。
京本くんに対して腹立たしいのは、
私が北斗くんにとっての所有物で、それを取られてしまうと感じるからなんじゃないかって。
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作者名:冬村 | 作成日時:2023年6月26日 15時