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田中｢こうやって2人で出かけられるようになると思わなかったな。｣
｢そうですね……｣
なんで敬語？という田中くん。……樹くん。
田中くんと呼ぶと怒るから、樹くんになったんだけど
正直プライベートでの関わりはバイトの帰りに送って貰う程度であまりない。
田中｢行きたいとことかある？｣
｢うーん……突然だったからなぁ。樹くんはどこかある？｣
そう聞くと彼は考える素振りを見せて
田中｢ガラじゃないけど、オシャレなカフェ行こ。｣
……ガラじゃないって思ってるんだ？？
｢わ、美味しそ〜……！！｣
プリンの上にアイスクリームが乗ってて、キャラメルソースがかかったデザートのメニューに目を輝かせる。
そんな私を見て目の前の彼は少し、笑った。
田中｢飯いらねえの？｣
｢あ、ご飯か。……うーん。どうしよう？この薬膳カレーとかにしようかな｣
田中｢いいね、オレは〜……チキン南蛮にしよ、手作りタルタルだってさ。｣
オシャレな？というか食材こだわり系のカフェみたいな。
店員さんに注文したあと、樹くんは私に向き直って聞く
田中｢ね、Aちゃんは率直に俺の事どう思う？｣
｢田中樹くんだなって。｣
田中｢いや好きとか嫌いとかだよ｣
｢好きだけど恋愛感情じゃないかなって。｣
田中｢どうしたらそういう目でみれる？｣
私はまだ北斗くんが好きだから。
そう言われても困ってしまう。
好かれて嫌なわけじゃないけど
｢北斗くんに冷めたら、誰かをそういう目で見るのかな……｣
｢お待たせいたしました〜｣
｢ありがとうございます｣
田中｢ありがとうございます〜｣
田中｢北斗のどこがいいの？｣
｢本読んでる時に真剣な顔してるところ、選ぶ時に夢中になっちゃうところ、……あとは、本当は優しいところ。｣
田中｢俺は正直やめた方がいいって思ってるよ。｣
｢北斗くんと初デートの時もお兄ちゃんに結構言われたし……｣
｢私といることで北斗くんがダメになるならお別れも仕方ないのかなとかは……思うよ。｣
田中くんはきっと、大事にしてくれる。
浮気……はしなさそう、他の子と遊ぶとしても伝えてくれそう。
京本くんも、慎太郎も大事にしてくれる。
でも北斗くんに大事にされてないって思うわけじゃない。
ちゃんと好きだって伝えてくれてたこともあったし───
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作者名：冬村
| 作成日時：2023年6月26日 15時
